長編小説

□BertyWasImprisoned (出会い)
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ひた・・・・

冷たい手の感触がアレクの背中に触れた。
びくっと体を激しく反応させる。
視覚を奪われているアレクは恐怖を感じていた。

今回は・・・何人・・・・

何人の男達が自分を犯しに着たのか分からない。
ただ、普通に犯していくだけならいい。
中には手ひどいほどのサディスティックなことをする男達もいるのだ。
両手両足の自由を奪われ、ただ体を硬直させた。

「っひ!」
差し込まれていた太いバイブを不意に抜き取られた。
アレクは小さな悲鳴を上げる。
長い間差し込まれていたために、すぐに後孔は閉じずヒクヒクと蠢いていた。
中から数名の精液が溢れ出る。

ジャラジャラジャラジャラ
部屋に鎖のこすりあわされる音が響いた。
音を聞くことができないアレクは自分の足が急に下に落下するのだけを感じた。
そして次の瞬間、アレクの体を支えていた両腕の鎖も緩まり、体が落下していくのを感じた。

ダン!

大理石の床に背中を打ちつける。

「痛・・・・・」
急に体が自由になったものの、数日間に及ぶ拘束と強姦から体が動かなかった。
誰かがヘッドホンを外し、次に目隠しを外す。
アレクが目にした男は、忘れもしない男だった。
「・・・ウィリアム=ヴィルヘルト・・・」
アレクが呟くと、ウィリアムが微笑んだ。
「何故・・・あんたが、ここに・・?」
体がさらに硬直する。
「仕返しに・・・オレを殺しに・・・?」

バンッ!

最後までアレクが言い終わらないうちに部屋のドアが力強く開けられた。
「アレク!」
ドアの方にアレクは振り返る。
自分の依頼主デヴィがいた。
アレクの視界にウィリアムの腕が入る。
その腕の先・・・手には銃を持ちデヴィを狙った。

一瞬の事だった。

「ウィリアム!お前が何故!?」
デヴィは叫んだ。
銃を突きつけられてデヴィは動くことが出来なかった。
状況が読めないまま、アレクも動くことができない。
「アレク!何をしているんだ!ウィリアムを殺せ!」
デヴィが叫んでいる。
確かにアレクは今ウィリアムの足元に転がっている。
素早く動いて銃を奪う事もできなくはない。
が、それは自分の命と引き換えだ。
あくまでウィリアムは銃を持っている。
そして彼は素人ではない。
アレクが動けばすぐに照準はアレクの頭に合わされ、次の瞬間にはデヴィを狙うだろう。
デヴィにその短時間で逃げる技量があるとは思えない。
「・・・・・ムリですよ。デイビットさん。・・・・もう遅いですね。オレもあんたも終わりだ。」
アレクのセリフにデヴィが怒りを露にする。
「今までいい思いをさせてきたのに、命を掛けてオレを守る気はないのか?!」
デヴィのセリフを聞いてアレクは笑いだした。
「あーはははは・・・いい思い? オレが? いい思いをしてたのはあんたでしょう? それにオレとあんたとは主従関係ではないだろう? あんたはあくまでオレの依頼主。依頼に対して正当な報酬をもらっていただけだ! 今回あんたの命を守ることは依頼されてないしな! それにあんたがオレをこんな状態にしてなければお互い助かったのかもしれない! 今のオレの体で何ができる?ん?」
アレクは裸体をデヴィに見せ付けるように動いた。
「・・・・・・」
デヴィも黙り込む
「オレもあんたも運が尽きたって事だろ。」
アレクはゆっくりと目を瞑った。

ダン!

銃声が聞こえた。
先にデヴィを撃ったのだろう。
アレクは目を瞑ったまま思った。
そして次はオレか・・・。
そう思って待つが、一向に銃声がしない。
目を開くと、ウィリアムがアレクの全身を見ていた。

ああ・・・こいつもか・・・・・

アレクは思った。
そして、いつもの様に誘うような表情を作る。
「あんたも・・・オレで楽しみたいんだろ? 好きにしてもいいんだぜ」
そして極上の微笑みを浮かべて両腕を差し伸べてた。
ウィリアムがアレクの片腕だけ掴んでアレクを引き起こした。
アレクはそのまま両腕をウィリアムの両肩にのせる。
「あんたの屋敷で楽しもうじゃないか。」
甘く響く声でウィリアムの耳元に囁いた。

オレは生き残る!

アレクは強く思った。
今ウィリアムを誘惑すれば・・・・。

そう思った瞬間、下腹部に鈍い痛みが走った。
ウィリアムがアレクの下腹部を強く殴りつけたのだ。

「ぐっ・・・」
アレクは小さく唸ると、そのまま意識を失った。
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