長編小説

□BertyWasImprisoned 別れ
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ウィリアムの家での生活は何不自由ないものだった。
朝から豪華な食事
豪華な屋敷の中は好きに出入りしてもいい。
多くの使用人が働いており、何をするにも彼らが手配をしてくれた。
こんな贅沢はした事がなかったのでアレクは毎日本を読んだり庭で遊んだりしていた。
 だが・・・


「退屈・・・・・」
アレクが独り言を言った。
南米にいた頃は毎日訓練とSEXばかりの毎日で暇というものを知らない。
デヴィの家でも、毎日感が鈍らない程度の訓練と、殺しの依頼を受けていたのでさほど暇を感じた事がなかった。
ウィリアムはアレクに何も求めてこない。
殺しもSEXの相手も・・・。
「何の為においてるんだろうか?」
アレクには全く理解ができなかった。
ただ、最初は快適に思えた生活がだんだんと苦痛になっていく。
アレクは耐えられなくなり、ウィリアムの部屋を訪ねた。

ウィリアムは書斎で仕事をしていた。
「ねえ、あんたさあ、オレを利用しようとか思わないわけ?」
声を掛けたアレクの方を見てウィリアムが笑った。
「ガキに何ができるっていうんだ?」
ウィリアムの言葉が感に触った。
いつでもそうだ。
ウィリアムはアレクをガキ扱いして、一人前として扱われた事がない。
初めはそれが心地よくも感じたが、最近はペットのようにただ飼われているだけにしか感じない。
たまに反抗的な言葉をかけてもウィリアムはうっすらと微笑して、まともに受け止められた事がない。
「殺して来いと言われればすぐにでも誰でも殺してくる!」
アレクの言葉に呆れたようにウィリアムは溜息をつく。
「そんな必要はない。殺し屋はウチにもいっぱいいるんでね。」
「どんな連中さ!大した腕なんてないだろ?!オレが子供だからか?でも人を殺してきた年数だけならオレの方が長いかもしれないぜ?」
アレクの言葉に再度ウィリアムは溜息
「そういう事をいってるんじゃない。お前が殺す必要はないと言っているんだ。お前の腕の事を言ってるわけじゃない。」
「だったらなぜオレをここに置いておく?オレは何の為にココにいる?」
アレクが怒鳴った。
「お前に殺しを依頼するつもりでおいたつもりはない。行くところがないだろうと思ったからおいているだけだ。それ以上でもそれ以下でもない。」
ウィリアムは冷たく言った。
「同情のつもりなのかよ!家もない哀れな子供だと思って施しのつもりでオレを飼ってるのか?!」
「それ以外に何があるんだ?」
冷たいウィリアムの言葉にアレクのプライドは傷つき更なる怒りに変わった。
怒りで言葉がでない。
そのままアレクは激しい音をたててウィリアムの書斎のドアを締め、部屋から出て行った。
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