星空の本

□それは、とても澄んだ空
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いつもと変わらない。
土曜日なのに駅は喧騒に包まれているし、学校の位置だって1ミクロンもずれていない。
ただ違うのは−今日で地球が終わるってことぐらい。
最後ぐらい会長と颯斗先輩と月子先輩に会いたいな。そう思いながら生徒会室の扉を開ける。
「お、来たか。」
「おはようございます、元気そうですね。」
「遅いぞー書記!」
そこには制服姿の先輩達がいた。もちろん同級生の翼も。
「会長、颯斗先輩、月子先輩まで…。」
声が出せない月子先輩は私の言葉に微笑んでくれた。
「先輩、どうしてここへ?」
「最後ぐらい皆さんと居たいですからね。」
颯斗先輩が言うと会長がニカッと笑い、月子先輩は頷いた。
「俺はこれでも会長だからなー。ぬははー!」
現・会長の翼が聞いてもないのに返事を寄越す。
「あ、翼、聞いたぞ。」
ふと思い出した様に一樹先輩が言う。
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