Whim

□Whim
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( あなたの恋の裏側で、 )

「俺、今日告白するんだ」

二人きりで向かい合って座る教室の中。赤髪の彼は独り言のように呟いた。

「上手くいくと思うか」
「さあ、それはブン太次第でしょ」
「お前そこは上手くいくって言えよ」
「私はそんなに優しい人間じゃありませんー」

自分の好きな人が自分ではない誰かに告白することを、素直に応援できるほど、私は優しくないし、強くない。

「まあブン太に告白されて喜ばない女の子はいないんじゃない?」
「そうか?」
「あんた顔良いし」
「おい」

がく、とわざと体勢を崩した彼に少し笑った。
彼も苦笑いをして。そして、ついに立ち上がった。

「行くの?」
「行く」
「行ってらっしゃい」
「頑張れとか言ってくんねえのかよ」

さあ、と曖昧な返事をして、彼の背を軽く押した。
私は優しい人間じゃない。頑張れ、だなんて、言うものか。
だから何も言わずに、教室を出ていく彼の背中を、見送った。

( 私は静かに涙を零すの。 )



―――――



( 柳君と帰り道で。 )

「蓮二」
「何だ」
「寒い?」
「何故そんなことを聞くんだ」

「だって蓮二全然寒そうな顔してないし」
「いちいち顔に出す必要はないだろう」
「まあそうだけど、」
「…疑問は解決したか」

「んー…う、ん……?」

( 解決したようなしていないような。 )

柳君難易度高すぎるよーorz 難しいよ書けないよでも書きたいんだよー。←



―――――



( 君の温もりを。 )

「蓮二ー寒いー」
「……ああ」
「ああって……マフラー貸してよ」
「忘れたお前が悪い」

「ひどっ! もういいよ、蓮二なんか……っばーか!」
「馬鹿はお前だ」
「んむ、」
「…マフラー、貸してほしいんだろう?」

「あ、ありがと…」


想ってないようでちゃんと想ってる柳君の優しさ。



―――――


 

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