Whim
□Whim
1ページ/1ページ
( しゃっくりが止まらないのを必死に隠す幸村君 )
「幸村君…?」
「な、にかな」
「何か喋り方変じゃない?」
「気のせ、いだよ」
にこり、余裕の笑み(のつもり)。
「(笑顔がぎこちないけど…)」
「何か、言ったか、な」
「……ねえ、幸村君」
「な、に?」
「止まるまで喋らなくていいよ」
一瞬固まる幸村君を見て、笑う彼女。
( バレバレでした。 )
―――――
( 彼女のことなら何でも知ってるぜ、とちょっと得意気な丸井君 )
「うーん……」
「どうした?」
「お腹痛い」
「…どうせ冷房つけっぱなしで寝たんだろい?」
「な、何故それを知っているんだねブン太君」
「お前のことだからだいたい見当つくんだよ」
( 自分も同じ経験がある、なんて絶対に言うものか。 )
―――――
( 寝癖が直らなくてイライラする幸村君 )
「幸村先輩、」
「何かな?」
「その寝癖、どうしたんですか?」
イラッときても、顔には出さない幸村君。
「何? よく聞こえないんだけど」
聞こえないふり、は彼の得意技。
「ピン貸しましょうか?」
聞こえないふりが聞こえないふり、は後輩の得意技。
「……別にいいよ」
「そうですか」
( そう言えば彼女には聞こえないふりが効かないんだった、と今更気が付いて尚更イライラ。 )
―――――
( 寝違えて首が痛い仁王君 )
後ろの席の彼女に呼ばれる仁王君。
だがしかし、首が痛くて振り向けない。
「仁王くーん、聞こえてる?」
「…聞こえてるぜよ」
「ちょっとこっち向いて」
彼女のためだ、そう決心して、ゆっくりと振り向いた瞬間軋んだ首。
思わず手を添える。
「ピヨ……」(悲痛な叫び)
「仁王君、首どうかしたの?」
「……、…」(痛みに悶々)
「?」
―――――
( 柳生君を花火大会に誘ってみる )
「ねえねえ柳生君」
「何でしょう」
「明日何か予定ある?」
「いえ、特には……」
「じゃあさ、明日一緒に花火大会行こうよ!」
「ほう…いいですね」
「じゃあ決定ね!」
「はい」
「ああ…楽しみだなあ…」
「私も楽しみです、」
「でしょ? すっごく綺麗なんだよ、その花火大か、」
「あなたの浴衣姿」
「……へ?」
驚いて彼を見れば、彼はにこりと微笑んだ。
( 私浴衣着ないけど、って言われて、気付かれないようにがっかりする柳生君がいても良い。 )
実は大好きな親友・花杏様に捧げようと思ってたネタだったりします\(^q^)/
―――――
( 幸村君と電車に乗る )
こくりこくり、と眠そうな彼女。
そんな彼女を見て、くす、と笑う幸村君。
電車が強く揺れて、彼の右肩は少し重くなる。
また少し笑った彼も、ちょっと眠そうで。
右肩にもたれる彼女にもたれて、一緒に眠ってみたりすることも、あると思うんです。
―――――
( 友達と世界が終わるときの話をしてて、ちょっと怖くなった切原君は、 )
好きな先輩の教室に走って、周りの視線とか気にしないで、先輩の机の前に立って。
「オレ、先輩のことが好きです!」
とか大声で告白。
「!? どしたの急に」
と驚き、軽く混乱する先輩に、
「いや、世界が終わる前に言っておかなきゃと思いまして」
とか言って、さらに先輩を混乱させて。
その後、満足したような顔で颯爽と教室を出ていく。
―――――
「幸村君」
「……」
「幸村くーん」
「………」
「幸村君ってば、」
「…、……」
「……精市」
「何かな」
「……」
( 彼は、ちょっと甘えん坊です。 )
―――――
「赤也、」
「ん?」
「……好き」
「な、何だよいきなり……」
「ちょっと言ってみたくなっただけ」
そう言った彼女の笑顔を独り占めできる自分はきっと。
世界で一番幸せな男だと思う。
―――――
「やあ、」
「あ、幸村君」
「今日は何の日か知ってるかい?」
「うん、ハロウィンでしょ?」
「そう。 trick or trick.」
「…ん? 何か違くない?」
「違くないよ。お菓子くれてもイタズラするから」
「……お菓子あげるだけ損じゃん」
( Happy Hallowe'en!! )
―――――