Whim

□Whim
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( しゃっくりが止まらないのを必死に隠す幸村君 )

「幸村君…?」
「な、にかな」
「何か喋り方変じゃない?」
「気のせ、いだよ」

にこり、余裕の笑み(のつもり)。

「(笑顔がぎこちないけど…)」
「何か、言ったか、な」
「……ねえ、幸村君」
「な、に?」
「止まるまで喋らなくていいよ」

一瞬固まる幸村君を見て、笑う彼女。


( バレバレでした。 )



―――――



( 彼女のことなら何でも知ってるぜ、とちょっと得意気な丸井君 )

「うーん……」
「どうした?」
「お腹痛い」
「…どうせ冷房つけっぱなしで寝たんだろい?」
「な、何故それを知っているんだねブン太君」
「お前のことだからだいたい見当つくんだよ」


( 自分も同じ経験がある、なんて絶対に言うものか。 )



―――――



( 寝癖が直らなくてイライラする幸村君 )

「幸村先輩、」
「何かな?」
「その寝癖、どうしたんですか?」

イラッときても、顔には出さない幸村君。

「何? よく聞こえないんだけど」

聞こえないふり、は彼の得意技。

「ピン貸しましょうか?」

聞こえないふりが聞こえないふり、は後輩の得意技。

「……別にいいよ」
「そうですか」


( そう言えば彼女には聞こえないふりが効かないんだった、と今更気が付いて尚更イライラ。 )



―――――



( 寝違えて首が痛い仁王君 )

後ろの席の彼女に呼ばれる仁王君。
だがしかし、首が痛くて振り向けない。

「仁王くーん、聞こえてる?」
「…聞こえてるぜよ」
「ちょっとこっち向いて」

彼女のためだ、そう決心して、ゆっくりと振り向いた瞬間軋んだ首。
思わず手を添える。

「ピヨ……」(悲痛な叫び)
「仁王君、首どうかしたの?」
「……、…」(痛みに悶々)
「?」



―――――



( 柳生君を花火大会に誘ってみる )

「ねえねえ柳生君」
「何でしょう」
「明日何か予定ある?」
「いえ、特には……」

「じゃあさ、明日一緒に花火大会行こうよ!」
「ほう…いいですね」
「じゃあ決定ね!」
「はい」

「ああ…楽しみだなあ…」
「私も楽しみです、」
「でしょ? すっごく綺麗なんだよ、その花火大か、」
「あなたの浴衣姿」

「……へ?」

驚いて彼を見れば、彼はにこりと微笑んだ。


( 私浴衣着ないけど、って言われて、気付かれないようにがっかりする柳生君がいても良い。 )

実は大好きな親友・花杏様に捧げようと思ってたネタだったりします\(^q^)/



―――――



( 幸村君と電車に乗る )

こくりこくり、と眠そうな彼女。
そんな彼女を見て、くす、と笑う幸村君。

電車が強く揺れて、彼の右肩は少し重くなる。
また少し笑った彼も、ちょっと眠そうで。

右肩にもたれる彼女にもたれて、一緒に眠ってみたりすることも、あると思うんです。



―――――



( 友達と世界が終わるときの話をしてて、ちょっと怖くなった切原君は、 )

好きな先輩の教室に走って、周りの視線とか気にしないで、先輩の机の前に立って。

「オレ、先輩のことが好きです!」

とか大声で告白。

「!? どしたの急に」

と驚き、軽く混乱する先輩に、

「いや、世界が終わる前に言っておかなきゃと思いまして」

とか言って、さらに先輩を混乱させて。

その後、満足したような顔で颯爽と教室を出ていく。



―――――



「幸村君」
「……」
「幸村くーん」
「………」

「幸村君ってば、」
「…、……」

「……精市」
「何かな」
「……」


( 彼は、ちょっと甘えん坊です。 )



―――――



「赤也、」
「ん?」

「……好き」
「な、何だよいきなり……」

「ちょっと言ってみたくなっただけ」

そう言った彼女の笑顔を独り占めできる自分はきっと。
世界で一番幸せな男だと思う。



―――――



「やあ、」
「あ、幸村君」

「今日は何の日か知ってるかい?」
「うん、ハロウィンでしょ?」

「そう。 trick or trick.」
「…ん? 何か違くない?」

「違くないよ。お菓子くれてもイタズラするから」
「……お菓子あげるだけ損じゃん」

( Happy Hallowe'en!! )



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