story (R18)

□君の為なら
1ページ/2ページ

 建て替えたばかりの薬鴆堂は、どこもまだ新しい木と青畳の香りが漂う。
「…ぁ、鴆、あぁ……は」
「色っぽい声になってきたじゃねえか?そそるぜ、リクオ…」

 畳に敷かれた鴆の羽織を握りしめて、リクオが身をよじる。鴆の指に下の入り口を解されている間は、体が焦れて仕方ない。念入りに準備をして、鴆が楽しげに囁いた。
「さ、若はどんな体位がお好みで?」
 指を引き抜くと、体液と潤滑剤で濡れた音がした。
 見下ろせば、リクオの恥ずかしそうな悔しそうな、それでも快感に勝てない表情がたまらない。
「…ち、意地の悪ィ鳥だ」
 口の悪さも、紅潮した顔のいやらしさを引き立てて鴆を煽った。身を起こしたリクオは、着流しを開けて胡座をかいた鴆の股間へと屈み込む。
「てめェにも喘いでもらおうかぃ、鴆」
 照れ隠しか負けず嫌いか、リクオが挑戦的に見上げる。
「お、いいねぇ」
 お互いニヤリと口元を歪める。
 血管が浮き出るほど屹立した鴆の雄に、心臓が高鳴った。リクオがそろりと舌を這わせると、鴆が短く呻くのが聞こえた。
「…く、はぁ…リク…オ」
 リクオはその声に気を良くする。
 もっと感じさせてやりたいと、先端を口に含み、先走りを舐める。愛撫に脈打っては溢れる塩辛い液体を、愛おしそうに舐め取った。
 深く含み頭を上下させる。息をつくたび濡れた音が響き、鴆の声には余裕が無くなっていた。
「っあ…、よせ、いっちまうよ」
「ん…そんなら、」
 リクオは唇を離すと体を起こし、鴆に甘えるように擦り寄った。油断している鴆に体重をかけ、そのまま後ろへ押し倒した。
「リクオ?」
 驚く鴆に跨がり、リクオは解された場所へ鴆の雄をあてがう。
「喘がせてやるっ、て言っ…、たろ…ッ」
次へ

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ