story (R18)

□鳥目
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 一般に鳥類は、夜目がきかない。いわゆる鳥目というやつだ。

 鴆に抱かれながらそんな事を思い出し、リクオは自分にのしかかる鴆を見上げた。
 今居るのは鴆の寝室。
 行灯は消え、月明かりも薄雲と障子に阻まれて届かない。部屋の中は真っ暗だった。昼の姿でもふつうの人間よりは夜目のきくリクオだが、今は妖の姿をしているため暗闇でも視界に不自由はない。

 だが、鴆はどうだろう。
 鴆は鳥の妖だ。
 見えてるのか?

「あ!……っ!」
 下腹で鴆と繋がったままぼんやりと考えていたら、不意に強く突き上げられた。
「何考えてンだよ、リクオ」
 少しだけ不機嫌そうな声がした。
「…たいした事じゃ、ねぇよ…」
 深く息をついて、リクオが内の刺激をこらえる。
「そーかい、なめられたもんだぜ…ホラ」
 今度の声は楽しげな響きを含んでいた。鴆はリクオの足を抱えなおすと、さらに強く腰を打ち付けた。
「ひっあッ!ぅあ、鴆ッ、待っ…!」
「待てねぇな」
 散々に喘がされてたまらなくなり、リクオが理性を飛ばしかけた時。
「リクオ……いい顔しやがって」
 鴆がそう囁いた。
「なっ…、んでェ、見えてん、のか」
「は?」
 思わず呟いたリクオに、鴆は動きを緩めた。どういう事かと問えば、お前は鳥目なんじゃないかと思った、と答える。
「…はははっ、おめぇよ、妖が闇ン中見えねえでどうするよ」
「あぁ、違ェねぇ」
 つられてリクオも笑う。鴆の温かな手がリクオの頬を愛しげに撫でた。
「…たとえ鳥目でも、お前ェがどんな面してるかくらいわかるよ。それこそ目玉ぁ無くしたってな」
 リクオの返事を待たず、屈み込んでくちづけた。繋がったままの部分が角度を変えて、リクオが体を震わせた。
「……はッ、たいした自信だな」
 くちづけの合間に聞こえた声は、どこか満足そうだった。




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