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□鬼の道に有る人
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指導者を目指し始めたのは何時頃だっただろう?
サッカーが好きだった。
子供が好きだった。

だから、サッカーをする子供は本当に大好きだった。


純粋無垢な彼らが一心不乱にボールを追いかけてコートを駆け回る姿は、本当に羨ましいほど輝いて見える。
 

自分はいつの間にか少年から大人になって、見たくない、知りたくない部分を知ってしまったから。


優しさだけでも、厳しさだけでもやっていけないことを以前のある時に痛いほど思い知った。
指導者の権限を剥脱され途方に暮れて、死ぬことも考えたけれど、どうせ失うならこの身、全てを捧げたいと強く思った。


こんなことで彼らへの贖罪になるとは思っていないけれど、



護りたいと、強く願うから――。




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