もちもの2
□共為様より☆土砂降りのお土産
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しとしとしと。
もう何日目か分からないほど続いている雨。
梅雨でもないのに降り続く雨が余計に気分を沈ませる。
それは東京の稲妻町にある、雷門中学校にも例外無く降り注いでいた。
「う〜…」
「さっきからどうしたんだ?」
授業が終わり、机にうなだれて窓を見ている円堂に豪炎寺は心配そうに声を掛けた。
「だって今日も雨なんだぜ?」
「ああ、確かにな。季節外れの梅雨だ、なんて天気予報で言っていた」
「何だよそれ〜。梅雨は一回で十分だよ…」
円堂は足をバタバタと動かして、机の上にアゴを乗せた。
豪炎寺は曖昧に笑ったが、円堂の言う通り湿気も不快指数もゆうに百パーセントを越えていて、自分自身はもちろん、制服も教科書も、建物自体も湿っている気分になる。
「まあ今日はこれで学校は終わりだからよしとしなくちゃな」
「そうだった!」
豪炎寺がフッと窓の外を見ながらそう言うと、円堂が大声を出して席を立った。
「よし、早く行こうぜ!」
「え、円堂?行くってどこ…」
豪炎寺が呼び止める前に円堂は鞄を担ぐと教室を飛び出していた。
皆の視線が円堂に集まる。
「あいつ、まさか部室に行くつもりなのか?」
呆気にとられた顔で呟くと行き場の無くなった手を静かに下した。
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