もちもの

□辺見渡の一日☆あまおう。様より
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俺の名前は辺見渡。
帝国学園サッカー部に所属している。
俺は欠片も認めていないが、変態眼帯野郎から"デコ"と呼ばれていたりする。 ……もう何なのアイツ本当精神攻撃だけは上手になっちゃって!!
――ゴホン。 そんなことは置いておいて。
今日は特別に俺の一日を見せてやる。 ありがたく思えよ?


6時30分、起床。
「何なんだ…佐久間が大量のペンギンと一緒に追いかけ回してくる…悪夢を見た…」
今日は冷や汗びっしょりになって起床。 一体俺は何て夢を見るんだ。夢には深層心理が表れると聞いたことがある。…一体何を考えているんだ、俺は!!

6時40分、朝食。
俺は帝国の寮に住んでいるから、この時間に行かないと自動的に朝食抜きになってしまう。
「辺見! 相変わらずデコだな!」
噂をすれば、だ。
「俺はデコじゃねぇって何度も言ってんだろうが!」
ニヤニヤと笑いながら声をかけてくる佐久間に、俺はいつものように怒り気味な口調で返す。 ああ、何だかこのやりとりが日常の一部として食い込んでいるというのが、嫌になってくる。
「それはそうと、朝飯はもう食ったか? まだなら一緒に食おうぜ」
「ああ。ちょっと持ってくるから待ってろ」
佐久間と食う約束を交わし、朝食を受け取りに行く。 今日のメニューは焼き魚にワカメの味噌汁、だし巻き玉子に白米だ。綺麗な日本の朝食に少し感心しながら佐久間のところに向かう。
「おお、辺見じゃないか。今から飯か?」
そう背後から声をかけてきたのは、俺と同じサッカー部の源田だ。源田も手にトレーを持っている。俺と一緒で今からなのだろう。
「ああ。佐久間と一緒にな。源田もどうだ?」
誘うと源田は頷いて佐久間の元に向かう。
今日の朝食も美味しかった。

7時15分、登校。
この寮は帝国学園の裏側に位置するから、30分までに登校、という規則には余裕で間に合う。
「あ、おはようございますデコ見先輩(笑)」
「デコ言うな!! 笑うな!! 全く…相変わらず腹の立つ後輩だな、成神」
イラッとくる声のかけ方をされた。相変わらずヘッドフォンで音楽を聞いている成神に俺は苛立った声をかける。
「少しは先輩を敬ったり出来ないのか?」
「無理ですね!」
「即答!? ちょっとは思案してみろ!! お願いだから考える前にそういうこと言っちゃうの止めてくれる!?」
「だって…デコなんかのために時間を使うのって…ねぇ?」
「お前失礼にも程があるぞ!!!」
賑やかに話しながら(不本意ながら周りからはそう見えていることだろう)玄関に辿り着く。「ではまた昼休みに」と言って成神は一年の教室に向かう。
朝からぐったり気味の俺は、思わず大きな溜め息をついて二年の教室に向かった。

8時30分〜12時30分迄、授業。
今日の授業は数学、世界史、科学、体育だった。
まあ前の三つの教科はまだ良い。だが、四時限目の体育はそれはもう悲惨だった。
同じクラスの佐久間がデスゾーンを打とうとして俺と鬼道さんを巻き込む。KOGは残念ながら他のクラスのため、ゴールキーパーをしていたクラスメイトがデスゾーンの餌食になってしまった。
…普通部活でもない、普通の体育でそこまでやるか? 案の定その生徒は病院送りにこそならなかったものの、保健室に運び込まれることになった。
そして、佐久間は鬼道さんに叱られていた。

12時30分、昼休み。
俺はいつものメンバーと連れ添って屋上へと向かう。いつものメンバーというのは、鬼道さん、佐久間、源田、成神、咲山、そして俺の六人だ。
「鬼道さんっ!! あーんってしてください!」
「全力で拒否する」
いつものようにスッパリと断られてショックを受けている佐久間。 いつものことなんだからいい加減諦めれば良いのに。
「あ、デコ先輩。ブロッコリーとエビフライ交換してください」
「割りに合わねぇ!! てかお前もエビフライ食っただろ!?」
学園から支給される弁当を頬張りながら会話をする。 成神が俺を馬鹿にしてくるのは――悲しいが、いつものことだ。
「そういえば佐久間、お前一般の生徒にデスゾーン喰らわせたんだってな」
「……馬鹿だろ、お前」
突然、源田が誰から聞いたのか体育の時間の話をし始めた。咲山はそれを聞いて呆れたように呟いた。
「馬鹿じゃない!」などと佐久間が喚いているがスルーされている。
……少し「いい気味」と思ったのは秘密だ。

1時〜3時迄、授業。
退屈で一番睡魔が襲ってくる五・六時限目を何とか乗りきって、遂に。
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