もちもの

□しょうがない!☆竹林様より
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「……そろそろ鬼道さんに告白しようと思う」
「…………………」

駄目だこいつ、早く何とかしないと。
いや、むしろ病院逃げろ。

「まぁ落ち着け。もう少し慎重にものを考えろ」
「今まで慎重すぎるほど慎重に行動してきたさ」

こいつの中で俺の友人の着替えを覗いたりユニフォームを手に息を荒げたりするのを隠しもしない行為は慎重な行動のうちに入るらしい。
もう世の中の基準がわからないよ。

「いや…もうちょっと慎重に…そもそも鬼道男だしな?」
「………………………………」

ん?

「……………………………?」
「……………………………??」
「………………………!!??」

待て待て待て待て待て待て待て待て待て待て待て待て待て待て!!
wait=待て!!
つまり待て!!

「何言ってるんだ、鬼道さんは健全な女子だぞ!」
「待てって言っただろおおおおおおおおおお!!」
「あ゛ぁ!?」

俺はお前をそんな子に育てた覚えはない!

「どっからどう見ても男だろう!」
「なんだと!?」
「まずおまえあのぺったんこな胸を見ろ!」
「貧乳はステータスだ!!」
「だまらっしゃい!!」

駄目だ、俺にはやっぱり無理だった…!!
やっぱり病院逃げないで俺を見捨てないで…!!

「声だって低いし!むしろおまえのが高いし!」
「声の高低など愛の前では何の障害にもならん!!」
「何上手く切り替えしてんだ!!」
「それに何より鬼道さんが女性であることは風呂場で確認済みだ!!」
「女性って!ってかそもそも風呂場ってなんだ!合宿のか!風呂場で確認したんならなおさらわかるだろ!!」
「だって前隠してたもん!」

もんって何………

「それはあいつが極端な恥ずかしがり屋であるからであってだな…」
「恥ずかしがり屋!!大いに結構!!」
「どこのエロ親父だ!!そもそも女子なら流石に一緒に風呂には入らん!!」
「そこは鬼道さんの男気でカバーだ!!」
「どんな矛盾!?」

風呂場って時点で気付いてくれ!!

「鬼道が男気ある恥ずかしがり屋であることは認めるが奴は断じて女子ではない!!」
「禿げろ!!」
「どんな罵り文句!?」
「おまえ達うるさいぞ!!何してるんだ!!」
「鬼道さん大好きいいいいい!!」
「鬼道今すぐ脱げ!!」
「ぎゃああああああああ!!?」
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