アイテム2

□家政婦フクさんの陰謀
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首筋から耳へと、ぬるぬると這う豪炎寺の舌と熱い吐息が、だんだんと鬼道の正常な思考と言葉を奪ってゆく………。

「ふぁっ…みっ……みみっ……やっ………めて…変なっ……かんじにっ……っつ!!」

これならば、先程の円堂みたいにいきなりキスされたほうがマシだ。
求めるものを知っていながらわざと焦らしているような豪炎寺の行動に鬼道は我慢ができず、

「ごっ………ご、えんじ……っ…………す、して……」

ぴたり。鬼道のおねだりの言葉に豪炎寺の動きが止まる。

「……いいのか……」

ぐに。
どうするか、『それ』を表すように押し付けてくる。
下腹部に感じる固い肉の感触。

「…ごっ………ちがっ…!!」

違う。そっちじゃなくて!とんでもない勘違いをされている。なのに、止めようとすることができない。

「……っっ……」

羞恥心が鬼道の精神的を浸蝕してゆく…。

「…はあっ……」

何をしているんだ。フクさんにも見られているというのに。

「鬼道……」

「――!?……あぅんっ…!!!」

ぐにんっ!
豪炎寺の膝が鬼道の股を割って入ってその中央を圧迫してきた。
その刺激に、鬼道の背中が跳ね上がる!
そこで気がつく違和感。
彼もその違和感に気付いたのか、驚いた表情でうるんだ紅瞳を見つめてきた。

いつもあるはずのものが、ないなんて――


「おまえ――」


手が、鬼道の股間にそっと触れて――


「豪炎寺っ!!!」

ぐいっ!
鬼道が自由な方の手でご豪炎寺の首を強引に引き寄せる!

「んっ――!!!」

自らの唇を彼のそれに押し付けた!
後の方でキャーとかワーとか受けの攻め!萌え!!という声が聞こえるのは無視するとして。
上に覆いかぶさっていた豪炎寺の力が急激に抜けて、どさっ。鬼道の身体を押し潰した。

「ぐっ――!」

いきなりかかってきた重量に、思わず苦痛のうめき声を漏らす。



――と、そこに。



「鬼道さん豪炎寺さーん、何してるんスかー?早くこないと二人のご飯食べちゃうっスよー」


こちらに近づいてくる、声。


(冗談だろ…!?)


冗談だと言ってくれ。頼む。


「あれ、ドアが開いてるっス」


やめてくれ、やめてくれ。やめてくれーッ!!!


『獣姦!アリでございます!これはアレでございますわね!醜いものが美しいものが犯されゆく美学!中年ハゲメタボオヤジに若くてかわいい義娘が凌辱されるパターンやー!!』
姿は見えぬ余計な声が鼓膜を無駄に揺らすッ!


「きっ、鬼道さん豪炎寺さんッ……!?」

「やめろーーーーっ!!」




しかし、彼は越えてしまった。


禁断の境界線を。


悲痛な叫びも虚しく――



「鬼道さんハァハァ」


「う・わーーーーっ!!!」









「どうしたんですかっ!?」
「何があった!!」

尋常でない悲鳴を聞き付けたメンバーが次々と集まってきて、散々たる光景に言葉を無くしてゆく。
3人の男とキスをして無事元の姿に戻ったのはよかったものも、目的を終えて気を失っている連中の中で一人意識があるのはまさに地獄。
鬼道は一緒に気を失っているフリをした。
――が!!

「鬼道…」
「鬼道さん……」

誰かと誰かの手が鬼道の腕と太股に触れた。
その手の数か次第に増えてゆき、全身をまさぐられはじめて――何かおかしい!
鬼道がそっと薄目をあけると……


う・わ・あ・あ・あ・あ・あ・!!!






―――

『あらやだ。部屋の暗示の解除忘れてましたわ。でも輪姦!集団レイプ!鉄板でございますっ!!次回の青春カップ3はこのネタで決まりですわカリカリカリカリカリカリカリカリ……』





fin.
(収集がつかなくなった)
→あとがき。
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