平助

□ある晴れた日
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ようやく冬を越したと思ったらあっという間に桜は散ってすでに少し動くだけで汗ばむ季節になってきた



それはある晴れた日のこと








最近前よりも千鶴は元気が無いように見える



俺達と話す時は普通に笑ってくれるけど1人で掃き掃除をしてるとき


縁側で繕い物をしてるのを見かけたとき



洗濯物を干してるとき






ふとした拍子に寂しいような悲しいような辛いような顔をする



最初は雑用ばっかやってて疲れてんのかとも思ったけど




まぁ屯所内の雑用のほとんどを千鶴がやってくれてるから疲れてないわけねぇんだけど




やっぱり千鶴に悲しい顔をしてほしくない

いつも笑ってろとは言わないけどせめて笑ってる時間の方が多くあってほしいと思う




女の子って何したら喜んでくれんのかな……


やっぱ髪飾りとかか……






でも千鶴は今男装してるしな…



髪の結い紐だったら使えるか

それとも甘いものとかの方が喜ぶのか




あぁぁぁぁぁぁあわかんねぇ


左之さんや土方さんみたいな色男なら難なくできるんだろうけど生憎俺はそんな器用じゃねぇし




「……くん、平助君!」


「え?あー千鶴!!!???」



「どうしたの?1人で百面相してたよ」


「え?まじで?」



うんと頷きながらクスクスと笑う千鶴


やっぱ千鶴は笑ってた方が絶対いーよな
と心の中で再確認する

やっぱここは単刀直入に聞いてみるか





「なぁ千鶴…なんか欲しい物とかあるか?」



「欲しい物?」


「何でもいーから!」


「うーん…特にないけど…どうして?」


「あ、えーと…なんとなくだよなんとなく!」



変な平助君とクスクス笑う千鶴

笑う度に結ってる赤い紐がふわふわと揺れている



「じゃあさ食いたいものとか?」


「そうだなー桜餅とかかな?」



「じゃあさ!それ!今から食いに行こうぜ」




千鶴に有無を言わせず手を引いて歩き出す


本当は手を繋ぐのだけだけどものすごく心音が早くなってるのが自分でも分かる


でもやっぱ千鶴に笑って欲しいから






あるはれたひ
(桜餅と餡蜜とおはぎとお茶くださーい)
(平助君そんなに食べるの?)
(半分こしよーぜ)













あとがきと言う名の言い訳

とりあえずここまで読んでくれた皆さま
誠にありがとうございます!!!!!!!

感想などはトップページ参にお願いします!!!


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