予備小説箱

□他に欲しいものかあるのかと聞かれたら真っ先に君と答えただろう
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冥王様のカタカナギャル字はめんどくさいのでぜんぶ平仮名で喋ってます。が、ギャル字です←








「息仔よ!」

「あ────…」


後ろから冥王に呼ばれ、振り向こうとしたが、自分の名前は息仔ではない。


だから振り向かない。


「…ねーくーろーすぅー、息仔ぅー…」

「……」

無視、でも足は止める。
まぁ本当に無視を決め込んでこの場を去る、という選択肢もあるのだが、それでは後で面倒な事になる。
ほんの少し前だ

『ねーくーろーすぅー』
『……』

無視を決め込んで去ると後ろから泣き声がした。
嫌な予感がし、恐る恐る見れば案の定。

『えれ、ふぅ…え、れぁっふ!』
『げ、』

俺の服の裾を長細い指で摘まんで泣き出した。
オイ、お前冥府の王じゃないのか?
だがえぐえぐ泣いている冥王も可愛く見え、結局何故か此方が謝る羽目になった。


それほど時間は立っていない筈なんだが
やっぱり冥王は馬鹿か。

「…ぇ、……ェレフっ!」


嗚呼、やっと呼びやがった。遅いんだよ。

「…なんだ」

「……ぉ、怒ってるの、か?」

「いや…、怒ってる訳じゃないが、キレてはない」

「怒ってるじゃなぃか!?」

「あーさっさと名前呼べばいいんじゃないか」

「ぇ…だ、だって…」

「?」

急に視線を泳がせだす冥王。
なんだ?なんか理由が有るのか?


「は、恥ずかしぃ、か…ら」

「はぁ?」

顔を真っ赤にする冥王。
あーなんでそんなに可愛いの!?

「…」

そんな理由を言われたエレフは少し照れると、頭を掻き回す。


「…あ、で用は?」

「ぁ、そぅだった」

今思い出した、とばかりに冥王はへらぁっと笑う。


「エレフが今一番欲しぃものはぁるか!?」

「…なに?くれるのか?」

「いや、なんとなーく」


「ふーん、じゃあ」



2メートルを越える冥王の髪をグイッと引っ張り、耳元に顔を近づける。

ゼロ距離から


「お前のぜんぶ」








他に欲しいものかあるのかと聞かれたら真っ先に君と答えただろう


(あぁもう手に入れてるか…じゃあタナトスの泣きが)(このどSが!!)



end



お題関係なす\(^o^)/

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