予備小説箱
□すみません、好きなんです
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「十代目っ!」
嗚呼、チクリと胸が痛むのは何故?
【すみません、大好きなんです】
キーンコーン…
チャイムが今日の学校生活を終わらせる。
俺は抱き付いてくる獄寺君を引き剥がす。
邪魔。
「ちょ、獄寺君…どいて」
「はいッ!あ、帰りましょ?」
俺の鞄を嬉しそうに捧げてくる獄寺君。俺はあはは…と苦笑いしながら鞄を受けとる。
不意に視線を感じた。
「うん。あ、……」
「…?どうしたんっスか?」
「……いや、なんでもないよ」
窓の外には一羽の雀。
俺はそれに向かって微笑んだ。
雀はそれに気付いたのかパタパタと羽を羽ばたかせ、夕陽の中に消えた。
「じぅー代目っ!」
「あ、うん…いまいく!」
綱吉は小さく笑った。