〜pray〜

□〜第四章〜 風邪引きたいとか言うけど、実際引いたら寝ようとしないよね
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パリーンッ!

何かが割れる音に目が覚めた。
時間を見ると6時過ぎ。


「ンだよ…まだ早いじゃねーか…あと二時間は寝れたぞコノヤロー」


ボリボリと天パ混じりの髪の毛を掻きながら部屋を出ると、そこには粉々になった皿を呆然と見下ろした真姫の姿が。


「真姫か?どうした?」


欠伸混じりに問えば、申し訳なさそうに俯く真姫。


「ごめん…ちょっとぼんやりしてた」


すぐ片づけるからと言う 真姫が新聞紙を取りに行こうと身を翻した時、丁度目に入った時計に刻まれている時刻を見て悲鳴にも似た声が出た。


「ヤバいッ!朝練遅刻しちゃう!」


悪いんだけど、代わりにやっといて!と言い放った真姫が、掛けていた毛布をその場に落とし、エプロンをほどくとその下から覗いた隊服を身にまとい、脱兎の如く玄関から出ていった。


「何だ何だぁ?忙しい奴だな、朝っぱらから」


その様子を見送っていた銀時はそう呟くと、仕方ねーなと割れた皿の破片を拾い始めた。


「銀チャン…何の騒ぎネ?」


先ほどの音に気づいたのか、寝癖だらけの神楽が押入のドアを開けのそりのそり歩いてきた。


「あー?真姫が皿割っちまったんだよ。ちょ、お前あぶねーからこっち来んな」


カチャカチャと片付けをしながら言う銀時を見ていた神楽が、その近くに落ちている毛布を見て目を丸くした。


「…銀チャン、寒いアルか?」


その言葉に、なに言ってんだコイツ?という目を向けたが、すぐさま何を言われているのか理解したようで、顔の前でヒラヒラと手を振る。


「これも俺じゃねーっつーの。アイツが着てたんだよ。寒かったんじゃねーの?」


その言葉にさらに目を丸くした神楽が、パタパタと自分の顔の横に手で風を送りながら銀時に近づいた。


「こんなに暑いのにアルか?」


そう言って神楽は、何気なしに毛布を拾い上げた。
その時に何かを感じ取ったのか、ぐいっと銀時の頭を引っ張る。


「だぁかぁらぁ、アイツが起きたときは寒かったんじゃねーの?俺が何でも知ってると思ったら…イダダッ!何だよ!?」


突然引っ張られた髪を押さえ、半ばキレ気味に振り向くと、そこには困惑したような顔をした神楽が。


「銀チャン、真姫も暑かったみたいアル。毛布、めっちゃ熱いネ」

「あ、そう。じゃあそれはファッションだ。人様の自慢のファッションにケチつける何ざ、人の風上にも置けねーぜ?」


そんなに気に止めていない様子の銀時はよっこらせと立ち上がると、そのまま神楽の頭をくしゃりと撫でて、その毛布片づけとけよと相手の言葉を軽く聞き流すと包んだ食器をゴミ捨て場に持って行くため、いつもの着流しを引っかけるとそのまま出て行った。




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