〜pray〜

□〜第三章〜 話考えるより題名考える方が難しくね!?
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「…と、言うわけで昨日の入隊試験を見事合格して、晴れて俺たちの仲間になった真姫ちゃんだ。仲良くするよーに!」

「よ…よろしくお願いしまーす。」


朝の集会場で、真姫は晴れて真選組メンバーになれた。
仕切っている近藤に指名されたあげく、隣にいる沖田に立ちなせェ。と言われ立ち上がり挨拶をしてみたが、心なしかみんなからの眼差しが痛い。


「隊は一番隊に所属する。…総悟、ちゃんと指導しろよ。」


紹介してくれている土方からの指令に真姫の隣でアイマスクを頭にした沖田が、分かりやしたと呟いた声が聞こえた。


「真姫ちゃんには女隊士と言うことで、主に看護、偵察をやってもらう。もちろん剣の腕も立つから、どこかの隊の穴埋めも出来るはずだ。」


近藤から初めて聞いた自分の役割に、真姫は驚き息を詰めた。


「そんなにやることあるんだ…」


そんな呟きを聞きつけた沖田が、にやりと不敵に笑った。


「いや、あんたは俺の報告書の作成もありますぜィ?」

「それは自分でやれ!」


その言葉を聞きつけた土方が瞳孔がかっ開いた目で沖田を睨んだ。


「冗談でさァ。…これだからマヨは「お前、マヨナメんなよ!?マヨはなぁ、この世のありとあらゆるものに合うように作られてんだよ!」


そう言い放った土方が刀を抜いた。
突然のことに真姫は驚いたが、他の人にとっては日常茶飯事のようで、どこかしまりのないまま朝の集会は解散した。


「真姫ちゃんだっけ?何歳なの?」


とりあえず、行く宛もないので沖田が帰って来るまで待とうと動かなかった真姫にそう声をかけてきたのは、見たことの無い隊士。


「あ、…17歳です。」


笑みを浮かべながらそう答えると、わらわらと集まってきた他の隊士たち。


「女の子でここに入るのは珍しい。是非一度、お手合わせ願いたいものだ。」


そう言う歓迎ともとれないことはない挨拶には、苦笑いを浮かべるしかない。

…というか、来た大半がそのような内容だった。

若干、ここでの生活に不安を感じた真姫がため息をつくと、また1人話しかけてくる隊士が。


「こんにちは。真姫ちゃん。」

「あ、初めまして。こんにちは。」


また来た、と軽く思いながらもとりあえず挨拶をする。


「いや、初めましてじゃないよね?」


そう言われてしまうが、真姫はイマイチピンとこない。
真姫が知っている真選組隊士は、近藤、土方、沖田くらい。
それ以外の人にあっただろうか?


「俺ですよ。局長呼んだの。」


その言葉に、一気に頭が覚醒した。


「バドミントンの人!?」


あまりの驚きに指を指して大声を出してしまい、まだ何人か残っていた隊士たちに変な目で見られた。


「あ、覚えててくれたんだ。俺、山崎退。真姫ちゃんと同じ偵察係。よろしくね。」

「よろしくお願いします!」


優しそうな山崎と話をしている内に、不安だった気持ちが段々晴れていくような気がしていた。
手合わせの依頼含みの挨拶を考えても、まぁ、多少気持ちは凹むが、これからの生活に思いを馳せた。

新しい環境…ここならきっと、うまくやっていけそうな気がする。

確証はないが、そんな気がした。


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