〜pray〜
□〜第四章〜 風邪引きたいとか言うけど、実際引いたら寝ようとしないよね
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「てめー、朝練遅刻なんざ良い度胸してんじゃねーか、あぁん?」
朝練も終わり隊士が全員食堂に向かっている間、真姫は土方に怒られていた。
結局、あれから朝練に5分遅刻してしまったのだ。
朝練は出させてくれたものの、終わってから土方に呼ばれ真姫は縮こまっていた。
「すみません…頑張ったんですけど…」
「頑張った結果がついて来なかったらただの言い訳だろ?犬まで連れてきてよぉ…」
ちらりと土方が屯所の玄関を見ると、そこには眠そうに大きな欠伸をする定春の姿が。
「頑張ったんですけどねぇ…」
同じく玄関を見やった真姫が苦笑した。
遅刻を避けたい真姫だったが、残念ながら免許を持っていないので銀時のスクーターを借りるのは無理があった。
だが、走ったとしてもここからじゃ間に合わないと考えた真姫は、玄関口で定春を無理矢理起こしたのだ。
何回も頭を噛まれそうになりながら、定春の背中に乗り込むと頭が良いらしく、すぐさま屯所まで走ってくれた。
5分遅刻だって、頑張った証拠なのだ。
猫バス万歳。
犬バス万歳。
「…次から気をつけろよ。」
そんなことを考えていた真姫にから何かを感じ取ったのか、土方はそう言うと真姫に背中を向けた。
「はい!」
「…あ、あと山崎がいねーから当分は偵察はなしだ」
土方が思い出したようにピタリと止まり真姫に一方的に告げると、そのまま何もなかったかのように歩き出す。
「山崎さん、どうかしたんですか?」
「…仕事だ」
遠ざかる背中にそう問いかけると、土方が片手を上げながら呟くように答え、その内その姿は見えなくなった。
この時、真姫が何かに気づいていれば良かったと後悔するのは
もう少し後の話
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