課長に恋をする

□恐怖
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あれからミナトさんの行動はヒートアップ……

なんでなんだ?なんでわたしなんだ?

自慢じゃないけど同期の中では「ひとみはない」と言われているようなわたしなのに……

どこにいってもミナトさんがいるんじゃないか

みられてるんじゃないかと思うと怖い……







リヴァイ「……おい」

ひとみ「……ぁ、わ!すみません!」

リヴァイ「……てめーがアドバイスくれっていったんだろうが」

ひとみ「すみません……」


先輩に注意されてしまい、ゆっくり顔を上げると


遠くでミナトさんがこっちをみてる。こわい



ひとみ「………」

リヴァイ「……どうした」

ひとみ「……ふぇ⁉」

リヴァイ「……今日はやけにおとなしいじゃねーか」

ひとみ「……そうですかね」


無理して笑顔をむける


リヴァイ「……体調悪いなら早退しろ。最近夏インフルが流行ってるらしいからな」

ひとみ「……大丈夫です!体調は万全です!」

リヴァイ「……ならいいがな」


もう一度恐る恐るさっきのほうをみると、ミナトさんはもういない




ひとみ「……ぁ…の……先輩……」

リヴァイ「……あ?」

ひとみ「…相談…したいことがあるんですけど……」

リヴァイ「…………」


わたしは勇気を出して先輩にいう決意をした
こんな怯えた生活嫌すぎる


リヴァイ「……仕事のことか」

ひとみ「……いえ……プライベートの…ことで……」

リヴァイ「…………今日は忙しい。また今度時間をつくる」

ひとみ「……ぁ、ならいいです!たいしたことじゃないのでっ…」


先輩はわたしのプライベートに時間をつかっている暇はない
わたしが一番信頼している先輩がこのかんじじゃ、望みをたたれたにちかい


リヴァイ「……ひとみ」

ひとみ「……はい…?」

リヴァイ「……浮かれるのはいいが、あまり周りに迷惑はかけるな」

ひとみ「……ぇ…?」



なに?

先輩はなにをいってるんだ?



リヴァイ「……仕事とプライベートはきっちりわけろ」

ひとみ「ぇ…ぁ……はぃ……」

リヴァイ「……プライベートのことで周りを振り回すな」

ひとみ「……す…みません……先輩…まさか……」

リヴァイ「…あ?」

ひとみ「……それって…私とミナトさんのことですか…?」

リヴァイ「…………」


わたしがそういうと、先輩はわたしをみて「それ以外になにがある」といったようなかおしてる


ひとみ「……先輩は…どう思います…」

リヴァイ「……あ?…いいんじゃねえのか。ミナトは将来有望だし、しっかりしてるからだらしなくて頼りないお前にはあってるかもな」

ひとみ「……そう…ですか……」

リヴァイ「……それに比べててめーはガキだし人に甘えてばかりだしのろまだからがんばれよ」


先輩はそういうと、わたしの頭をポンッとする

先輩なりにフォローしてくれてるのだ。嬉しい


ひとみ「……ありがとうございます…」

リヴァイ「………まあお前が嫌なら断ればいい話だ」

ひとみ「……そうですよね!さすが先輩です‼」



そうだ。はっきり断ればいいだけなのだ。わたしはなにを今まで馬鹿正直にミナトさんに流されてきたんだろう

先輩にそう言われただけで上機嫌になるわたしは馬鹿だ

先輩に「ありがとうございましたっ!またきます!」と挨拶してオフィスをでる


そこで自分がいままで断れなかった理由をまのあたりにした



ミナト「………ひとみちゃん……」

ひとみ「……み…なとさん……」



オフィスをでた瞬間、いきなりそこにいたミナトさんにぶつかる

目が冷たくてこわい




ミナト「ちょっと来てもらえる…?」

ひとみ「は…ぃ……」





ミナトさんに言われるがままついていき、わたしたちは屋上にむかう





ミナト「さっきのなにあれ」

ひとみ「ぇ…なん……ですか……」

ミナト「……リヴァイ課長となんであんな仲良いの?」

ひとみ「……だ…って…リヴァイさんは去年から…お世話になって」

ミナト「なんであんな愛おしそうな目で見るの」

ひとみ「ぇっ……」

ミナト「……はぁ、、ひとみちゃんさ…僕が他の女の子とあんなふうにはなしてたら嫌でしょ」

ひとみ「ぃ…ゃ……べつに……わたしは…」

ミナト「だいたい、今日体調悪いんじゃなかった?」

ひとみ「……や、それは……」

ミナト「……本当に仕方のないこだな。…はい、これ。薬かってきたから」

ひとみ「…………ぇっっ…」



ミナトさんがそういってわたしにさしだしてきたのは、生理を抑える用のピル

この行動にいよいよ狂気を感じたわたしは怖くて怖くてたまらなくて、身体が震えだしてあとずさりする




ひとみ「なん…ですかこれ……」

ミナト「女の子の身体のことよくわかってあげれないけど、ちゃんと薬局で相談してきたから…」

ひとみ「……なん…の……」

ミナト「最近彼女が具合悪いこと多くて、機嫌も悪いって言ったら多分生理のせいだって」

ひとみ「な…な……」

ミナト「今週の土日はそれ飲んでゆっくりしよう…ひとみちゃんちまでいくから」


ミナトさんはそういってまたわたしの頭を撫でようとする

わたしはごくりと息を飲んでそれをかわした



ミナト「……どうしたの?笑」

ひとみ「……ご…ごめんなさい……」

ミナト「…………」

ひとみ「……む、無理ですっ……気持ち悪いです……もうやめてくださぃ…」

ミナト「…………」




はっきりいえた

やっとはっきりいえた。これで逃げれる



そう思った瞬間、顔に激痛がはしってわたしは床になげだされた。



ひとみ「……ぇ………」


肘で状態をおこすと、コンクリートに血がしたたる。鼻血だ。目もなんだかみにくい

殴られたんだ



ミナト「……せっかくひとみちゃんのためにこんなにつくしてるのに…なんなんだよっっ」



ミナトさんがしゃがみこむわたしの髪をひっぱる。痛い





ミナト「このくそビッチっっ……っ⁉」


















リヴァイ「おい」















ミナトさんの声がやんで、髪から手が離れると、私の心を刺激する声……






ゆっくり振り返ると、リヴァイ先輩がミナトさんの腕をつかんでる。見ただけですごいちからなのがわかる








ミナト「り…リヴァイ課長……」

リヴァイ「…………てめー…一ミリも動くんじゃねえぞ」




リヴァイ先輩はミナトさんを睨みながらそういうと、腕を離してわたしにちかづく


リヴァイ「大丈夫か」

ひとみ「ぁ……だい…じょぶ…です」

リヴァイ「…見せてみろ」


私が恥ずかしくて顔をうつむかせていると、リヴァイ先輩は私の顎をくいっとつかんで正面をむかせる

こんな顔を先輩にみられるなんて…

恥ずかしすぎて辛すぎて目を見れない

先輩はポケットからハンカチをとりだすとそれでわたしの殴られた部分をおさえる

それから私の腕を引いてたちあがらせ、ミナトさんに「ここから一ミリでも動いたら懲戒免職にするからな」と告げ、わたしをひっぱって階段をおり、喫煙室にいれ、わたしをベンチに座らせる



リヴァイ「ここで悪い」

ひとみ「…ぃぇ」



先輩は財布を取り出して自販機で缶ジュースを買うと、さきほどのハンカチでくるんで、私の顔に当てる


リヴァイ「…ち、はれちまってるな」

ひとみ「……でも…大丈夫です」

リヴァイ「んなわけないだろ。」


先輩はわたしの手をとって、缶ジュースを握らせると、「しばらくあててろ」といい喫煙室をでていった


どきどきしすぎてやばい


この怪我よりも


胸のほうが痛むのだ
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