飛べない翼

□フォミクリー
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ミュットの凶暴化が騒ぎになる中、今度はフォミクリーが凶暴化する事件が相次いでいた

急に凶暴化しては、誰にも止められず、人間に危害を加えてしまう

機関内でも、数名のフォミクリーにその事例が発症しており、暴動を止められない場合は、その場で射殺されることもあった

凶暴化の原因はいまだ特定できないが、プルタークの後継者のスイが死体を解剖したところ、自然変異ではなさそうということがわかった

ということは、なにかをして、意図的に凶暴化させられているということだ

機関内では、従事している全フォミクリーに十分気をつけるよう、指示が出されていた









ひとみ「………」

デイダラ「……どうしたんだよ?」

ひとみ「……へ??」


休暇を使ってゲストルームに宿泊しにきたデイダラ
ひとみは久しぶりにデイダラと会えることを楽しみにしていたが、ここ最近の事件に、少し神経質になっていた


デイダラ「…珍しく大人しいな。何かあったのか?うん」

ひとみ「…んーん!訓練ちょっと疲れてるだけ…」

デイダラ「…お前いつも「暇」とか言ってんだろ…」

ひとみ「こ、ここ最近はわりと忙しかったんだよ!うん!」

デイダラ「真似すんな!うん!」


デイダラがバシッとひとみの頭を叩くと、「いてっ」とひとみが笑った



デイダラ「そういや、やたら凶暴なミュットが絶えないっていうな。機関も回収に追われてんのか?」

ひとみ「ぅん、、…あれ?機関もってことは…デイダラも…?」

デイダラ「普段はあまりないが、…うちも最近、里の周りにミュットが出やがるから、時々任務で回収するな、うん」

ひとみ「そうなんだ…、、何から何までやるんだね、デイダラは」

デイダラ「まぁな、、うん」

ひとみ「遠征任務、大変だった?長かったね」

デイダラ「あぁ、丸々2ヶ月掛かっちまったからな、中々しんどかったぜ、うん、、」

ひとみ「……怪我してない…??」

デイダラ「ん??大丈夫だ。大丈夫だが…」

ひとみ「……???」


デイダラはそっとひとみをベッドに倒す


デイダラ「すげー溜まってるから、、覚悟しろよ。うん」

ひとみ「っ…////ぅ…ぅん…////」


ちゅ、とキスをされて目を閉じる

デイダラの唇がくすぐるようにひとみの頬から耳にかけてをかするので、ひとみが笑ってそれを追いかけ、またちゅっと唇を重ねた


ひとみ「んは……デイダラ、」

デイダラ「ん、ひとみ、」


ちゅ、ちゅ、と何度も何度もキスをして、おでこをくっつける

まるで魔法をかけられたように、ひとみの目がとろん、と溶け、デイダラをみつめた


デイダラ「…物欲しそうだな、うん」

ひとみ「ぅん……デイダラ…欲しい…」

デイダラ「ふ、…いいこに待ってたから、ご褒美してやらないとな…うん」

ひとみ「ん、…欲しい…」


お互いに肌に触れ合い、キスを重ね続けて熱を育てる







ひとみ「…っ!!」

ひとみが何かに反応して、ビクッと身体をハネさせた


デイダラ「……どうした??」

ひとみ「っ……ご…ごめん…何でもない…」

デイダラ「………」

ひとみ「……デイダラ…」

デイダラ「…うん?」

ひとみ「……気持ちいい…」

デイダラ「…笑、気持ちいいな、うん」


ちゅ、とまたキスをして、デイダラがゆっくり腰を動かした


ひとみ「ハ、はぁッ、ァッ、」

デイダラ「、は、」

ひとみ「ァッ、ァッ、ァッ、ディ、」

デイダラ「はぁ、」










ベッドで疲れて眠るひとみに、そっと布団をかけて、頭を撫でた

いつもだったら会った瞬間から興奮状態になるひとみが、今日はどうも大人しかった

関係が落ち着いたということかもしれないが、どうもそれではない気がする

している最中も、何かを気にしているような素振りがみえて

何かに怯えているような気がしてならない

おそらく、本人に聞いても、心配かけまいと口を割らないだろう

ひとみは一回寝ると、起こさない限りはしばらく起きないとわかっていたので、服を着て音を立てずに部屋の外へとでた

機関中は自由に出歩くことはできないが、自分の遣いを差し向けることは容易い

粘土のムカデを作り、関係者のみしか入れないゾーンにソレを送り込んだ

しばらくして、ムカデに誘われてひとみの親友であるエリオットがやってきた



エリオット「今日はムカデですか笑 器用ですね、本当に」

デイダラ「まあな。オイラのアートは自由自在だ」

エリオット「さすがと言いたいところだけど笑、、どうしたの?今日はひとみと会ってるはずだよね?」

デイダラ「あぁ、今部屋で寝てる。うん」

エリオット「あんま生々しいのやめてね…ほんと」

デイダラ「…アイツに色々教えこんどいてよく言うな…まぁおかげで、結構楽しんだけど?」

エリオット「……ばかっぷる」

デイダラ「…ぁあ??」

エリオット「ナンデモナイ」

デイダラ「…まぁいい。聞きたいことがある」

エリオット「…聞きたいこと?」

デイダラ「……アイツの様子がおかしいんだが、何か知らないか?」

エリオット「…様子??なんだろう」

デイダラ「……どうも何かに怯えているような気がするんだが…。機関で何かあったのかと思って。最近、何かと物騒だからな、うん」

エリオット「……あぁ、、怯えているといえば、、確かにそうかも。それはわかるよ」

デイダラ「…ん??」

エリオット「…実は…ココ最近、凶暴化したミュットが多発していて」

デイダラ「あぁ。オレの故郷でもでやがる。普段はでないんだがな」

エリオット「それと関連があるかはわからないんだけど、、…最近は、フォミクリーの凶暴化が相次いでるんだ…」

デイダラ「フォミクリーの凶暴化だと…??」

エリオット「うん。原因不明なんだけど、急に凶暴化して、人間を襲ってる。機関では、人間に危害を加えるフォミクリーは処罰対象になるんだよ。ここ最近、急に人間を襲ったことで、処刑になるフォミクリーが増えてるんだ」

デイダラ「……ほぉ。。…で??」

エリオット「…人に危害を加えるって言っても、基本的に一回で処刑されることはないんだけど…」

デイダラ「………」

エリオット「……ひとみは…一度操縦士を殺めてるからね。それだけで罪は重いから、…次はないと思って、怯えてるんだよ」

デイダラ「………」

エリオット「……凶暴化したフォミクリーたちは本当に原因不明で、なんの予兆もなく凶暴化したんだ。運が悪ければ、その場で射殺されているし、、人間じゃないから、政府も始末しやすい。それが原因で、神経質になってるんだろうね」

デイダラ「……そうか。訳はわかった、うん」

エリオット「………」

デイダラ「ありがとうな。…その凶暴化っての、お前も気を付けろよ、うん」

エリオット「うん。…デイダラも…」

デイダラ「……???」

エリオット「…フォミクリーと一緒にいる以上、気をつけた方がいい。もしひとみに何かあったら…ひとみは容赦なく、君を襲うだろうからね」

デイダラ「……その時は返り討ちだな、うん」

エリオット「えちょっと…!!ひとみはオレが守る!とかじゃないの!?」

デイダラ「んなもんその時はその時だ。それに、アイツのことを殺すならオレって決まってるからな、うん」

エリオット「えぇぇ…」

デイダラ「笑、まぁ、検討を祈るぞ。うん」


デイダラはそう笑うと、スタスタとゲストルームへ戻っていった

部屋に戻るとまだひとみは眠っていて、怯えているわりに隙だらけのひとみに、頬をそっと触ると、ピクリ、と反応して目を開けた


ひとみ「ん、…ディ…」

デイダラ「起きたか、うん?」

ひとみ「…んー、、、

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