飛べない翼

□土影
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平和な岩隠れの里

クロツチが任務帰りにアカツチを引き連れ、「団子でも食べて行こう」と街を歩いていた


クロツチ「デイダラ兄のやつ、相変わらず土影業ぜんっぜん慣れねえみたいだったな笑」

アカツチ「だに…、、書類の山が凄かっただに笑」



少し前に土影に就任したばかりのデイダラ

今まで実戦で活躍してきたデイダラにとっては、書類仕事は向いてないようでイライラしては仕事を投げ出すため、中々書類の山は減っていかない

おまけに、目を離すとサボって芸術活動に励むこともあるので、就任してしばらくはオオノキが監視の目を光らせ、嫌々ながら仕事に向き合っているようだった

昔は抜け忍となり、更に暁として幾度となくテロを起こしていた時期もあったが、その後の活躍や、なんだかんだ仲間を助けることもあり


元々面倒見が良いこともあり、周りの部下からも土影として好かれ始めていた






クロツチ「あれ…?ひとみじゃん!」


ひとみ「ぁ…!く、クロツチさん…!」


向こうからひとみが歩いてきて、クロツチとアカツチが目に入ると、サッと持っていたものを背中に隠す


ひとみ「ご、ご苦労様です…!」

クロツチ「そんな固くなんなって笑、、里はもう慣れたのか?」

ひとみ「ぁ、ぅん…っちがう!はい…」

ひとみが慌てて敬語を直すので、クロツチがそれに笑った



クロツチ「そりゃ良かった。デイダラ兄のとこいくのか?」

ひとみ「ぇ…!ち、ちがぅっ!ぁ、ちがいます…」

クロツチ「敬語使えないなら無理すんなって…、、笑 兄なら、土影の部屋にいたぜ?」

ひとみ「ぁ…、、そう…なんだ…」


クロツチの言葉を聞いて、ひとみが少し俯く


クロツチ「ん…?どした?」

ひとみ「べ…別に…デイダラに会いに行くわけじゃ…ないから…」

クロツチ「ふーん、、…?それ、なに持ってんだ?」

ひとみ「…いやぁ、、これは、、べつに、、」


ひとみが明らかに隠すように後退りするので、クロツチがパッと舜身の術でそれを奪い取る



ひとみ「ぁっ…!」

クロツチ「ん?これって……火薬…」

ひとみ「そ、それは…」

クロツチ「まさか…お前…」


クロツチがじっとひとみを睨むので、ひとみがそれにたじろぐ

ひとみは元々外の国からやってきて、1度は岩隠れの里を襲っている

今はデイダラのおかげもあり、ひとみも仲間として見てはいるものの、一度犯した過去があるので、こんな物騒なものを持ってうろついているのは見過ごせない



クロツチ「お前…デイダラ兄を裏切るのか…??」

ひとみ「…へ??」

クロツチ「あそこまで兄が良くしてやったってのに、」

ひとみ「ぇ、クロツチさん、」

クロツチ「とにかく、これは私が預かる。兄には報告させてもらうぜ?」

ひとみ「え!!?そ、それはやめて!!?」







ひとみがギュッとクロツチの腕を掴む


クロツチ「なんだよ!?」

ひとみ「お願いっ、、ちゃんと話すから…聞いてください…」

クロツチ「………」


ひとみがじっとクロツチを見つめるので、クロツチも溜息をついて、「少しだけだぞ」とひとみと茶屋に入り直した










クロツチ「花火!!?」

ひとみ「…ぅん…」


どうやらひとみが持っていた火薬は花火を作るためのものだったらしい


クロツチ「なんで花火なんか…」

ひとみ「ぅーーん…」


ひとみがまたモゴモゴするが、そのわけはすぐに思いついた



クロツチ「…まさか、、デイダラ兄絡みか?」

ひとみ「…、、」

ひとみが顔を真っ赤にして頷く

かなり懐いているとは思っていたが、ひとみがデイダラに本気で想いがあるようなので、





ひとみ「…就任祝いに…良いかなって思って、、、」

クロツチ「おまえ…まじでデイダラ兄に本気なんだな、、」

ひとみ「…え、や、やっぱり…こんなことしたらバレちゃうかな!?どうしよ…」

クロツチ「いやバレて良いんじゃねーのか?笑(というかそもそもわかりやすすぎなんだよ、、」

ひとみ「えぇーでも、、」

クロツチ「打ち上げと同時に告っちまえば!?」

ひとみ「む、むりむりむりむり!!」

クロツチ「なんでだよ」

ひとみ「なんでって、、









クロツチ「まぁそういうことなら、これはお前に返すよ。悪かったな、疑ったりして」

ひとみ「ありがとうございます…」

クロツチ「じゃあ頑張れよ笑」


クロツチが去ろうとすると、ひとみがクロツチの服を掴む



クロツチ「ん…?」

ひとみ「クロツチさん…」

クロツチ「…なんだ?」

ひとみ「クロツチさんは…」

クロツチ「……」

ひとみ「……デイダラのこと…好き…?」
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