飛べない翼
□兵長とあの子
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私は入団してからずっと兵長に憧れてきた。いや、正直兵長のことを想っているし、兵長に全てを捧げるつもりだ
調査兵団に入って、初めて兵長に会った時は驚いた
人類最強と言われている人が、思いの外小柄で、粗暴で神経質だし、とても無愛想で近寄りがたかった
でも初めて壁外調査にでた時、兵長は巨人を次々倒し、やられそうになった私を助けてくれた
その姿はまるで王子様にみえた
それからリヴァイ兵長の後ろ姿を追うようになって
わかったことはリヴァイ兵長は実は優しくて仲間想いだってこと
兵長のことを知れば知るほど恋い焦がれていった
リヴァイ「ペトラ、お前を俺の班に推薦する。期待している」
そう言われた時は嬉しくてたまらなかった
わたしの努力は叶い、ついに兵長に実力が認められたのだ
(そのリヴァイ班に同期のオルオがいたのはちょっとむかついたけど
でも浮かれたのもつかの間、
リヴァイ班に入ってすぐに兵団内にとんでもない噂が流れた
リヴァイ兵長に女ができた
信じられなかった
あの兵長に恋人ができるなんて
誰よりも仕事を優先し、恋愛にうつつをぬかさないようなリヴァイ兵長に…
リヴァイ兵長の側にいる女性は、ハンジさんか、その次にリヴァイ班のわたしだとおもっていたから
リヴァイ「ペトラ、ガスの補給を急げ」
ペトラ「ぁ、はい‼すぐに‼」
兵長ほ噂が流れても何も変わらない
少しは女がいるオーラがでるのかな、なんておもったけどそんなこともなかった
噂を掘り下げると、相手は技術班のこだった
彼女のことは私も知っていた
めがちび
そう呼ばれていた彼女は、一応私より先輩だけど、整備の腕はまあまあたつが、馬鹿でおっちょこちょいで有名で風格もどことなく子供ぽい
そんな彼女を皆んな馬鹿にしていたし、ほとんどの人が彼女が先輩であれ後輩であれ「めがちび」とよび、タメ口をきいていた
彼女も彼女で、壁外にでる兵団に謙虚なところがあり、私たちに対しては例え後輩でも敬語で話してくる
めがちびがリヴァイ兵長の女に……
めがちびがリヴァイ兵長に告白したけどふられた……
等色々な噂が流れたが、皆んなめがちびのことを馬鹿にしていたため「めがちびがリヴァイ兵長となありえない」と口にし、信じなかった
そのうちその噂は風化した
正直私もそう思ってた
まさか兵長があの人と付き合うわけがない。間違いだ。
だから噂が風化した時ほっとした
ペトラ「兵長、一息つきませんか?お茶いれます」
リヴァイ「そうだな、頼む」
兵長と資料を整理しているときに、お茶をいれる
私は兵長といる時間が他の人より多い
正直それは優越感がある。こうして自然にお茶がいれることができるし、つくすことができる
そんな私がまたそわそわした気持ちになったのは、あの馬鹿同期のせいだ
オルオ「なあペトラよ。残念だったな、リヴァイ兵長のこと」
ペトラ「…はぁ?なにがよ」
オルオ「何がって、リヴァイ兵長とめがちびのことだよ」
ペトラ「…え、ちょっとオルオまだそんなこと言ってるの?リヴァイ兵長は恋人なんかいない」
オルオ「お前そろそろ認めろよな、あんな小娘がリヴァイ兵長の女なんて確かに調子乗ってるけどよ」
ペトラ「……だからあれはただの噂だよ?そんなのもう古いって」
オルオ「噂じゃねぇよ。俺みたんだからな」
ペトラ「……なにを」
オルオ「……リヴァイ兵長とめがちびが密会してるところ」
ペトラ「……そりゃ、めがちびはあれでも技術班の精悦隊だもん。整備かなんかで話してたんじゃない?兵長たまにめがちびに点検頼んでるし」
オルオ「いやーあれはそういうかんじじゃなかったな、、」
この馬鹿同期はやたらわたしを焦らしてくる
ペトラ「……なにがいいたいの、、?」
オルオ「……ショックうけんなよ?」
ペトラ「……だから何が」
オルオ「……キスしてるの見たぜ」
え?
なにをいってるのこの人は
ペトラ「……ちょ、頭おかしくなったんじゃない、、?」
オルオ「は?いや本当だって」
エルド「どうした?二人とも」
ペトラ「あ、エルドさん……オルオが変なこというんですよ」
リヴァイ「お前ら、何騒いでいる」
ペトラ「り、リヴァイ兵長っ」
オルオ「な、なんでもないっす」
リヴァイ「……オルオ、何を隠している…」
オルオ「え、ぁ、いや……」
エルド「……この際だから聞いてみろよ、オルオ」
オルオ「えっ……」
リヴァイ「……なにをだ…オルオ……」
オルオ「……あの……」
ペトラ「……」
リヴァイ「……さっさと言え……」
オルオ「……リヴァイ兵長…は……その……めがちび……とできているのかなと……」
リヴァイ「…………何故だ」
オルオ「……いや、兵長と…めがちびがその……き、き、き、」
リヴァイ「…………なんだ」
オルオ「……その…キスをしているところをみかけたので……」
リヴァイ「…………見間違えだろ」