飛べない翼
□あいつ
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実は俺には女がいる
それは技術班に所属しているクソ馬鹿だ
あいつとの出会いは最悪だった
あいつは第98期の中では問題児だった
馬鹿でのろまで馬鹿で
更になまけもの
本当に昔のあいつはくずそのもの
そんなやつが調査兵団にはいってきたものだから、俺やエルヴィンやハンジやミケ、は目をつけていた
あいつが調査兵団にはいってすぐ、壁が壊された
その頃何人もの兵が死んだ
そんな中、壁外調査中に俺の部下が謎の死をとけだ
あと一歩でとどめをさせたはずなのに何故だか動きが可笑しくなり、巨人に食われたのだ
そいつはかつての調査兵団の部下の中では実力のあるやつだった。それなのに何故こんなことが
原因は立体起動装置の故障にあった。そいつは壁外調査の前日に立体起動装置の整備を技術班に頼んでいた
故障の見落とし
明らかに点検ミスだった
俺は壁外調査から帰るとすぐにそいつの立体起動装置を整備したやつを洗い出した
それがひとみだった
俺はあいつを憎んだ
殺してやってもいいとおもった
ふざけた態度で俺の部下を殺しやがって
テメーが死ねば良かったんだ
テメーは人を殺した。仲間を
のうのうと生きやがって
これから死ぬまで苦しめ。巨人のいるこの地獄の世界で
気づいたらあいつの胸ぐらをつかんで全てをぶちまけていた
「……わかったか」というとあいつは震える声で「すみませんでした」といいぺたりと座り込んでしょんべんをもらしやがった
そう、俺のひとみにたいする第一印象は最悪を超えた最悪だった
俺のことが怖くてやめるんじゃないか
という噂もたった
だがあいつはやめなかった
あれから真面目になったのか
1年後にはあいつはまぬけだが中々腕のある整備士だと言われていた
それでも俺は許せないと思った
死んでしまった兵士の事を考えると
それくらいのことでは許さない。と
ある時、本部の廊下であいつとすれ違った
あいつのへなへなした敬礼に殺意がわいたが、それを無視して通り過ぎた
ひとみ「……ぁの…、リヴァイ兵長っ」
リヴァイ「…………なんだ」
話しかけてきやがった
ひとみ「……その立体起動装置…整備にだしたほうがいいです」
リヴァイ「……何故だ。」
ひとみ「……それ危ないです」
リヴァイ「……つい最近整備にだした、それに不備も感じない」
ひとみ「……そうですか……」
その時はこんなやつのいうこと信用できないとおもった
だがあいつはしつこかった
わざわざ執務室にきて、「次の壁外調査には予備をもっていってください。絶対です」と予備をもってきやがった
しかも「あと4体です」と謎のことをいいのこして去りやがった
次の壁外調査で、俺は仕方なく予備の立体起動装置を馬にのせて出発した
驚いたのは、始めなんの不備もなかった俺の立体起動装置が4体目の巨人を倒した瞬間に機動しなくなりやがった
なんとなくあいつの言ったことを胸に残していた俺は、側に馬をおいていたのですぐに立体起動装置をとりかえることができた
正直あいつの言うことをあのまま無視していたら俺は死んでいたかもしれん
恨んでいても、助かったことに変わりない
壁外調査後に技術班の作業場に向かう
ひとみ「ぁ!リヴァイ兵長!」
リヴァイ「…………お前のいった通り、立体起動装置が4体目で壊れた」
ひとみ「……ふぇ⁉大丈夫でした⁉」
リヴァイ「大丈夫だからここにいるんだろうが。お前がくれた予備のおかげで助かった。……礼をいう」
俺がそういって壊れた立体起動装置を渡すと、ひとみはきょとんとした
ひとみ「……それは良かったです!リヴァイ兵長が無事で本当に良かったですっ!」
そう笑顔でいってくる
こいつ
俺に脅されたこと覚えてねえのか
ひとみ「……ぁー…やっぱりひびいっちゃってますね。やっぱり改良案考えないとなぁ…」
リヴァイ「……何が原因だ」
ひとみ「……リヴァイ兵長は討伐数が多いので、つまり立体起動装置に加える負担が大きいんですよ…例えば、整備にだしてそのとき不備がなくても、大き巨人連続で倒したらいきなりガタがくるんです」
リヴァイ「…………」
ひとみ「……なので、そのことを気にしつつ、討伐数を数えて下さいねっ」
リヴァイ「…………ああ」