課長に恋をする

□せんぱい
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私は今、営業部第一課に所属している




今年でこの会社に入って2年目だが、わたしには去年から想い人がいる




それはいま営業部第二課で課長をやっているリヴァイ先輩だ




先輩は去年まで課長じゃなく、普通に営業部のエースとして第一課に所属していた。いわゆる私の直属の先輩だった。

リヴァイ先輩はそれはもう鬼畜で、みんなの憧れではあったが、担当にはなりたくないと同期はみんな口を合わせていっていた

そんな先輩は私と数名の同期の担当となり、予想以上に私たちをびしばし叩いてきた

でも私は、それでもくらいつくと、残業中にジュースをかってくれたり、叱った後に「がんばれ」と頭をぽんぽんしてくれる先輩にときめいて

気付くといつでも先輩を目でおい、そのドキドキで毎日がんばっていた

そんな先輩はもちろんもてる

同期でも、あまり話したことないけどペトラちゃんや、他にも何人かリヴァイ先輩に恋心を抱いてると言われている人はいる

それはもちろん他の先輩にもいて、またリヴァイ先輩より上の先輩にもいる

リヴァイ先輩に恋するということは、かなり難易度の高いゲームをするということなのだ

私は今レベル3くらいで、リヴァイ先輩は私の面倒をみたりかまってくれたりするが、完全に子供扱いしてくるし、私も一応女の子なのに普通に蹴りかましてきたりする……

去年はそんなかんじで、直属の後輩として色々面倒をみてもらっていたが、去年の終わりに先輩は急に課長に就任し、しかもうちの課ではなく、他の課で課長をやるということが判明して、私は意気消沈した
しかも課長のチームのメンバーは課長じきじきに選び抜いたメンバーで
その中に私はいなかったから更にだ

リヴァイ先輩がいうには、今年課長になることは私が入るちょっと前に決まってたことで、そのことは去年の1年間黙っていてその間に誰をメンバーにするか見ていたらしい

私はその話を聞いた時ひどく落ち込んだ

女としても、先輩直属の後輩としても……

一年の終わりの、昇格者や転勤者、退職者が祝われる飲み会で私がその話を聞いて落ち込みまくり、隅に縮まって床をもじもじしていると、リヴァイ先輩がきて慰めてくれた

リヴァイ先輩の課長昇格秘話をハンジさんが話していた時に、わたしが「え⁉うそ⁉え⁉」と騒ぎまくっていたからなんで落ち込んでるのかわかったのだろう

先輩は宴会場の隅に縮こまる私の隣に座り、タバコを吸いながら「別にお前が足手まといなわけじゃない」とか色々さとしてくれた。本当に優しい

それでも私が「先輩もう私の先輩じゃないんですか」とかうだうだ泣いていると

名刺に自分のプライベートのアドレス、電話番号、LINEのidを書いて渡してくれた

「これから先もお前の先輩だから、なんかあったら連絡しろ」といった先輩に、私は本気で恋をしてしまった

その日から、これはただの憧れ。リヴァイ先輩はもはやみんなが好きなアイドル。と思うのはやめて、自分なりに頑張ろうと思った






しかし






実際今年になって、リヴァイ先輩と会う時間は確実に減って、なにをどうしたらいいかわからない状態だ


この間にも、リヴァイ先輩に選ばれたペトラちゃんはどんどん先輩との距離を埋めてるだろうかと思うとつらい、、





休憩時間に飲み物をかって廊下をうろうろすると、喫煙室に先輩の姿を見つけた


まわりには誰もいないので、どうやら一人でぬけてきたようだ。これは話すチャンスだ







ひとみ「リヴァイ先輩っ」

リヴァイ「?…ひとみか。何で喫煙室なんかにいんだよ」

ひとみ「先輩の姿を見つけたのでっ」

リヴァイ「……そうか。仕事はどうだ、ちゃんとやってるか」

ひとみ「やってます!でも先輩がいなくて大変です…」

リヴァイ「…お前は仕事おせーからな。間に合わなくなったやつを俺が片付けていたのが懐かしいな」

ひとみ「ぅーー先輩がいないと終わらせるのが大変です…残業残業です」

リヴァイ「……あんま残業するなって言われてんだろ」

ひとみ「私があまりにだめなのでミケ課長は残業しろっていいます…」

リヴァイ「……どんだけだよ…。大変だなミケも」

ひとみ「大変なのはミケ課長じゃなくてわたしです…」

リヴァイ「馬鹿…。その分のフォローは面倒くせえんだよ。本来だったらミケがやったほうがさっさと終わるがそれじゃてめーのためにならいからやらせてくれてるんだろ」

ひとみ「……いじわるじゃないんですね……すみません……」

リヴァイ「……てめーいくつだ…。もう後輩もいるんだからしっかりしろよ」

ひとみ「……はぃ……」



先輩にまた呆れられてしまった


おちこむ…




リヴァイ「……まあ元気そうでよかった」

ひとみ「……ほぇ…?」

リヴァイ「お前のことだ。どうせ泣きながら残業してんだろ」

ひとみ「……先輩はエスパーですか…」

リヴァイ「ちげえよ。まあ泣いて笑ってころころ百面相してたほうがお前らしい」

ひとみ「百面相ですか……?」

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