課長がすきです

□予感
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エルヴィン「そういえば…………来週、ナミがこっちに戻る」




部長、課長の会議でエルヴィンが急に発した言葉にみんな一瞬ピクリと止まる


特にリヴァイ


わたしは一瞬リヴァイのほうを気付かれないようにみたけど、驚いた顔をしていた



リヴァイ「……栄転じゃなかったのか」

エルヴィン「いや、あっちの案件にひと段落ついたから戻ってこれることになった。ナミも女性だからな、ずっとあっちにいるのは嫌だろう」

リヴァイ「…………そうか」




ナミが帰ってくる




それを聞いただけで私まで複雑だ





ナミ



とは、リヴァイの同期で、リヴァイとまでは行かないがかなり有能な社員だった

その腕を見込まれて、3年前から台湾に転勤した

最初はすぐ戻ってくる予定だったが、向こうの案件がでかいのと、ナミの腕が買われてしばらくは戻ってこれないとのことだった
社内では栄転するかも、という噂まであった



それにナミは、リヴァイの元カノだ

というか

元婚約者だ



リヴァイとナミは入社してから仕事でもそれ以外でもコンビネーションがよく、周りから「お似合いカップル」だの「万年夫婦」だの呼ばれていた


最初こそ二人は付き合っていなかったし、ナミには彼氏がいたが、気付くと二人は本当に付き合いはじめていた


よく飲み会後に勝手に二人で違う方向に歩いていく姿を未だに覚えている


そんな二人は誰からどう見てもお似合いのカップルだった


しばらくして、リヴァイがドイツに転勤することになって、日頃からリヴァイと仲の良かったわたしは二人で飲みにいった


ナミとのことをきくと、リヴァイは熱燗を口にしながら


「婚約した」
といっていて、私まで興奮したのを覚えている
リヴァイがドイツから帰ったら結婚しようという約束だった


予定通りリヴァイはドイツに向かった


ナミにリヴァイのことをきくと、一応頻繁にスカイプとかで話しているらしい


ただナミもリヴァイも忙しい。それに昼夜逆転という壁はでかく、連絡する頻度もどんどん減っていった


私はナミとそこまで仲良かったわけじゃないが、ナミは美人で仕事もできるし、誰にでもわけへだてなく優しくて、いわゆる完璧女子だった

かといって弱い部分もあって、前に仕事でミスして悔し泣きしている隣でリヴァイがよりそって頭を撫でてやってる姿をみた

その姿を見て、この2人には幸せになってほしいなと感じた


でも、リヴァイがドイツに行ってしばらくたってから、街でナミが違う男と腕を組んで歩いているとこを見つけた

リヴァイのためもあって、ナミに正直に訳を聞くと、ナミは泣きながら「台湾への転勤がきまった」と話してきた
最近リヴァイとは全然話せてなくて、しんどかった。でも戻ってきたら結婚して、全て元に戻る、そう思っていたけど、自分の台湾行きが決まりそれもなくなった
寂しさと、悲しさに耐えれず他の人とデートしてしまった。と…

私はそのことは秘密にするから、リヴァイに正直な気持ちを伝えるよう諭した

リヴァイ結局、転勤してから半年で日本に戻ってきた

それからリヴァイとナミはしばらく付き合っていたままだったが、結婚はせずに、ナミが台湾に行く前に二人は別れた…

実際になにがあったのかはわからない

でもリヴァイに聞いたら、それが互いのためだし、ドイツに行く前からすれ違っていた部分があった
と話していた

絶対に幸せになると思っていた二人の悲しい結末に、なんだか私まで悲しくなった







そんなナミが帰ってくる




正直わたしまで複雑な気持ちだ


リヴァイは今、後輩のひとみと交際している
ひとみと交際しはじめた時は少し驚いた
ナミとは全くといっていい程別のタイプだ

ひとみはおっちょこちょいで馬鹿で、スタイルも顔もなみほどじゃないし、仕事も同期の中ではできない方だと思う(ごめんひとみ
何もしっかりしてなくて、いつもリヴァイの後ろを犬みたいに尻尾を振り回してついていっていた
リヴァイはそんなひとみの面倒をみつつ、しょっちゅう「いらいらする」ときれていた
けどなんだかんだ放っておけないのか、ひとみがそこらへんうろうろしては引っ張って連れまわしていた

そんなだめだめな後輩のひとみとリヴァイが付き合いだして、最初は「なんで…?」と驚いたが、そのうち、サイズが小さくて可愛い二人が微笑ましくなった

数々の美人で有能な部下を振ってきたリヴァイが、なんでひとみに恋心を持ったのかは未だに謎で、ひとみ自身も「先輩が私と付き合ってるのは、私が一人だとどうしようもないから」といっていた
私自身は勝手に、リヴァイがナミと別れてから恋人を作らないのは、ナミとの復縁を考えているからだと思ってたので、まさかのひとみとの交際に謎だらけだった


私はひとみのことは好きだ

ひとなつこくて、よく一緒にのみにいったりランチしたりする

ナミみたいに器用じゃないから、その人懐こさは誰にたいしてもではない
無意識ににその対象を選んでるんだと思う




ナミとリヴァイとひとみ




リヴァイとナミが戻ることはないだろうけど、
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