ただ課長のそばにいる
□それだけで
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私はリヴァイ先輩が好き
大好き
それは横浜支社では有名で、多分知らない人はいないんじゃないかと思う……リヴァイ先輩ふくめ……
そして私がすでにリヴァイ先輩に振られてることも……
私は去年先輩の下にいる間、何人か女性社員が先輩に振られているところをみてきた
そんな中どこに自信があったのか
きっと私の気持ちにはこたえてくれると、先輩に気持ちをうちあけた
でも結果は他の数人の人達と同じだった
「お前は若い。他に良いやつを探せ」とリヴァイ先輩はよくいうが、先輩だって十分若いじゃないかとわたしは思う
先輩がわたしをふったのは
私が美人じゃないから
私が仕事できないから
私が馬鹿だから、アホだから、おっちょこちょいだから
私が子供だから
それはどれも違う。むしろ以上の理由ならば私の気持ちはもっと楽だった
これからいくらでも可能性があったからだ
しかし
たてまえ上、リヴァイ先輩が私をふったのは
私が先輩の部下だから
部下だからそれ以上にも以下にもなれない
もうどうしようもない理由だった
これだけならましだ
更に、先輩が私をふった本当の理由は
リヴァイ先輩に好きな人が、愛する人がいるから
これは先輩から直接きいたわけじゃない
振られてわーわー泣き喚いた私に、ハンジさんが教えてくれた
私が入社する一年前まで、先輩には婚約者がいたらしい。先輩の同期で、美人で仕事のできる人
二人は入社してしばらくパートナーとして絆をつくり、そのうち恋人としての絆をつくっていったらしい
それが、リヴァイ先輩のドイツ転勤と、相手の人の台湾転勤で2人の心は離れ
結局破局してしまったらしい
互いのために別れよう。そう別れたのに、リヴァイ先輩はそれいらい恋人をつくっていないらしいのだ
気になってリヴァイ先輩に、「先輩は好きな人がいるんですか…?」と聞いたら、普段だったら「いねえよ」と答えそうな先輩が、私をふった申し訳なさからか「……さあな」と答えた
それで確信した
先輩はまだその人が好きだと
以前ハンジさんから話を聞いたとき
「リヴァイは普段から真面目だけど、以外にも恋愛にも真面目なんだろうねー」と笑っていた
それはつまり、先輩が一途だということだろう
そんな先輩に愛されてる女性は本当に幸せだ……羨ましい
ひとみ「せーんぱぃ」
リヴァイ「……なんだ、仕事は終わったのか?」
ひとみ「はい、ちょっとプレゼンの見てもらえませんか」
リヴァイ「……ミケに見てもらえ。お前の上司だろうが」
ひとみ「…………そうですか…」
私は今日も先輩にちょっかいをかける。これだけは我慢できない
でもこうして追い返された時は素直に帰る。さすがに嫌われたくはないし
リヴァイ「………ち、仕方ねえな。20分だけだぞ」
ひとみ「…はぃっ!資料もってきますっ」
でもいつもこうして結局はかまってくれる
先輩の恋人になれなくても、こうして先輩のそばにいれるのだから幸せいっぱいだ
ひとみ「………てかんじです…」
リヴァイ「……相変わらず詰めが甘いな。そんなんじゃ取ってもらえねえぞ」
ひとみ「………ですよねぇ…」
いつまでも成長しない私に先輩はちょっときつめに言ってくる。
これは私が成長するためなのだ
リヴァイ「…………まあだが、お前にしてはがんばったな」
ひとみ「ぇっ…」
私がしゅん、、とすると先輩は私の頭をぽんぽんした
これが好きなのだ