きめ
□罪転生
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あれ以来ひとみの姿を見かけることがなく、もう会えないのか…と寂しさを感じていた
彼女が昔のことを覚えていない限りは、彼女の生きている姿を見れればそれでいい、そう思っていたのに
数回姿を見ただけではこの気持ちは収まらず、また会いたい、また会いたいと思うようになってしまった
それからしばらくひとみの姿を見かけないまま、数週間がすぎた
大学時代の友人の結婚式に参加するため、スーツをきて、招待された疲労会場へとむかう
入り口では数年ぶりに会う友人たちの姿があり、久しぶり、とお互いに声をかけあった
友人と話に花を咲かせながらご祝儀袋を持って受付にならぶと、ふと、受付の女性から熱い視線を感じて目線をあわす
煉獄「……!!」
ひとみ「……あ…この前の…」
そこにあったのは、ずっと待ち望んでいた、ひとみの姿だった
まさかこんなところで会えるとは思わず、しかもひとみも髪を上げて、随分綺麗な着物を着ていたのですぐに気が付けなかった
煉獄「…ああ!!…落とし物の!」
ひとみ「はい笑、…あ、受け取りますね。お名前をどうぞ」
煉獄「うむ、、」
受付の最中であったため大した話もできず、ひとみに支持された通りに紙に名前をかき、ご祝儀袋を手渡した
ひとみから渡された式典の案内を読むと、そこにはやはり、ひとみの名前が書かれていた
ーーー
休憩時間に会場からロビーに出て友人と挨拶をしていると、あとからロビーにでてきてキョロキョロとあたりを見回すひとみの姿がみえた
お手洗いでも探しているのだろうかとひとみの姿を目で追うと、ひとみもこちらに目を向けて、目が合うと「ぁっ…」と口を開いてこちらに駆け寄ってきたので、友人に「すまない…」と伝えて、俺もひとみに駆け寄った
ひとみ「ぁ…こんにちは!」
煉獄「こんにちは!まさかこんなところでお会いするとは驚きました!」
ひとみ「わたしも…!あの、先日はありがとうございました…!ずっとお礼が言いたかったので、お会いできて良かったです…!」
煉獄「当たり前のことをしたまでなので!笑」
ひとみ「笑、、、でもとても助かりました。あれ、失くすと大変なので…、、」
煉獄「それなら良かった!!…ミョウジさん…で良かったですか??」
ひとみ「ぁ、はい!!お名前、何て読むんですか??」
煉獄「レンゴクだ!」
ひとみ「レンゴクさん…!すみません、漢字が苦手で…」
煉獄「気にしないでほしい!よく聞かれる!笑」
ひとみ「珍しい苗字ですね!初めて聞きます」
煉獄「うちは歴史が古くてな笑、、大正時代から引き継がれている苗字なんだ!」
ひとみ「大正時代から…!!それは素敵ですね…!!」
煉獄「はは笑、そう言ってもらえると嬉しい。…良かったら掛けませんか??」
ひとみ「ぁ、すみません…、」
目の前にあるソファに誘導すると、ひとみは申し訳なさそうに眉を下げた
ひとみ「お礼を言いたくてつい話かけてしまいましたが、長びかせてしまってすみません…」
煉獄「いえ!!せっかく会えましたし、俺も話しかけたいと思っていましたから!!」
俺がそう言って笑えば、ひとみも少し安心したのか、ふわりと笑ってくれた
煉獄「綺麗な着物ですね!!」
ひとみ「…!ぁ…これ、成人の時に祖母が買ってくれたんです笑、」
煉獄「ほう!!とても綺麗だ!よく似合います!!」