きめ

□現代
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いつものように駅で待ち合わせをして煉獄宅へと向かうひとみと煉獄

ここ最近はウミカのこともあって、一緒に過ごせない週末が続いていたが、解決したと煉獄から連絡があり、ひとみもようやく安心していた

最近は仕事も上手くいっておらず、はやく煉獄に甘えたい…ずっとその想いを我慢していたひとみ

久々に煉獄と会えて、2人で手を繋いで煉獄の家に帰ることに幸せを噛み締めていた



ひとみ「それでね、」

煉獄「うむ。……??」

ひとみ「…ほ??」


マンションのエレベーターをおりて、煉獄の部屋まで向かうと、部屋の前で女性が壁に寄りかかっているのが見えた

女性は煉獄とひとみに気づくと、「杏寿郎っ…」と一声叫んで、目を潤わせながら小走りで煉獄に飛びついた

急なできごとに、ひとみは目をパチクリさせながら煉獄と女性を交互に見る



煉獄「ウミカ、どうして…」

ウミカ「ごめんなさいっ、家に帰ろうとしたら、彼が来ていて、わたし…怖くなって…」

煉獄「………」

ウミカ「押しかけてごめんなさい。けど、杏寿郎しか…頼れる男の人がいなくて…、、」

煉獄「………」

ウミカ「……ぁ、ごめんなさい。わたし、杏寿郎の大学時代の友人で…、、」

ひとみ「…ぁっ、…は、はい……」

煉獄「………」


ひとみが動揺しながら煉獄をみあげると、煉獄は静かな表情でウミカを見つめていた



ウミカ「…ごめんなさい。デート中だとはおもわなくて、、どうしよう…わたし…どうしたら良いかわからなくて、っ」

煉獄「………」

ウミカはパニックになっているようで、目の前でボロボロと泣き出したので、ひとみも動揺してオロオロしながらウミカと煉獄を交互に見る





ひとみ「ぁ、ぁのっ……だ、大丈夫ですか、…ぁ、良かったら、ハンカチを…」

煉獄「……ひとみ」

ひとみ「……??杏寿郎さん??」


ひとみが慌てて泣き崩れるウミカにハンカチを差し出すと、煉獄がひとみの名を呼び止める

ひとみが煉獄を見上げると、煉獄はひとみをみてから、優しく微笑んだ



煉獄「すまない。彼女と話をするから、先に部屋で温まっていてくれ」

ひとみ「……で…でも…」

煉獄「大丈夫だ、すぐ戻る。夕飯、先に温めて食べれそうか?」

ひとみ「ぁ、でも…、待ってます…!」

煉獄「うむ。」


煉獄からスーパーの袋と鍵を受け取ると、煉獄の大きな手がひとみの頭を撫でて、「すまないな…」と優しく囁かれる

「大丈夫です」と微笑み返して、煉獄が支持した通りに先に部屋へと入った

部屋に入ってシーン…と静まるのを待ってから耳を澄ますと、煉獄とウミカがふつふつと喋り始めているのが聞こえた

普段ハキハキと喋る煉獄の声はよく聞こえるが、今日ばかりは深刻さ故か、静かに話しているようだった

気にしていても仕方がない…と諦めて部屋に上がり、リビングの暖房をつけて、スーパーで買ってきた夕食を温めた

しばらく部屋で待っていると、ガチャリ…と玄関から音が聞こえ、ひとみは小走りで玄関へと向かう



ひとみ「…大丈夫ですか??」

煉獄「うん…。」

ひとみ「……杏寿郎さん??」

煉獄「……ひとみ、すまない。これから彼女と、警察に行ってくる。解決したと言ったのに、申し訳ない。」

ひとみ「警察に…??…大丈夫なんですか…??」

煉獄「うむ。キリがないからな、被害届を出して、後は警察に任せる。」

ひとみ「そうですか…、、…あの方はどうされるんですか…?」

煉獄「今実家に連絡させている。今日は実家の方に帰るように言ったから、俺は交番まで送ったらすぐに戻る」

ひとみ「…わかりました。気をつけて行ってきてください」

煉獄「うむ。…ひとみ」

ひとみ「……??」

煉獄「……すまないな、、せっかく久々に食事するはずだったのに」

ひとみ「……良いんです、仕方です…!杏寿郎さんは悪くないから、気にしないでください」

煉獄
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