きめ

□罪転生
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今日も鬼狩りを終えて、近くにあった藤の家紋の宿でお世話になることにした

宿主に頭を下げて、話せないため紙に色々書いて、ジェスチャーで会話をし、部屋へと案内してもらう

鬼との戦でだいぶ疲れていたので、今日はすぐに休もう、そう思っていたときだった

廊下の方から聞き慣れた声が聞こえてきた。身の毛もよだつような、あの声が…

彼らと宿が共になるのは久しぶりで、その声が聞こえてきた瞬間に、私の身体は警戒耐性に入った

ひとまず今日はすぐに寝て、明日の朝、日が登る前に宿を出よう…

そう思い、すぐに夕爾を済ませて灯を消し、布団に身体を収めた

どくどく、、と鳴り響く心臓は、シーンと静まり返った部屋では騒がしく聞こえる

どうにか落ち着こうと、最後に話した時の煉獄さんの顔を思い出した

煉獄さんは私を信じると言ってくれた

だから絶対大丈夫だ、絶対に大丈夫…

そう自分に言い聞かせて、目を閉じて、夢で煉獄さんに会えますようにと祈りながら眠りに落ちた






ーーー







ひとみ「……??ッ…!!!」


違和感に目を覚ますと、あの男が私の上に乗っかって、無理やり性器を挿入してきていた

咄嗟に凪払おうとしたが、もう1人の男に身体を押さえられて、口を塞がれる



ひとみ「ッ…」

「おい起きたぞ!!…て、こんなことしなくて良いか。どうせ話せないしな」

「気持ち良すぎて起きちまったんだろう?」

ひとみ「っ…、」


はぁはぁ、、と息を上げながら男が腰を前後に動かすと、痛みと違和感で身体がぶるりと震えて目からは自然に涙が流れる



「ぐちょぐちょだぞコイツ」

「オイ、次俺にやらせろよ」

「一回イッたらな笑、…ほら、イッちまえ」

ひとみ「っ…!!」


ズブズブと奥まで突かれて、いやでもこちらも息があがり、身体が痙攣した

嫌だ、もう嫌だ

心の奥から湧き出る絶望感に、煉獄さんの笑顔と「俺は君を信じる」と言ってくれた言葉が頭をよぎった



「はは笑、炎柱の弟子がざまあねぇな」

「身体でご奉仕してただけじゃねぇか?こんな雑魚を飼うくらいだからな」

「たしかに笑、炎柱も大したことないんだな」

ひとみ「……っ、」



男たちが煉獄さんの名前を出してケラケラ嘲笑うと、私の中でプチン…と何かが音を立てて切れる音がした


煉獄さんがそんなことするわけないだろ

お前らと一緒にするな、煉獄さんはそんなことしない、煉獄さんはすごい人だ、誰よりも尊敬すべき人だ、煉獄さんは悪くない

わたしがわるいんだ、わたしがいつまでも弱いから








煉獄『俺は君を信じる』

ひとみ「っ……!」







「さて、交代だ、次良いぞ」

ひとみ「ふんっ…!!!!」

「ぐはっ…」


男がブツを抜いた瞬間に、おもいきし身体を蹴飛ばした

このまま逃げよう、他の部屋に違う隊士が泊まっていたら、助けを求めて、今度こそ煉獄さんに言おう

そう思って起きあがろうとした瞬間に、首元に狂気を感じて身体を止める

刃だ。日輪刀だ。

もう1人の隊士が私の首元に日輪刀を向けていた




「動くな。動いたら刺す」

ひとみ「………」

「冗談じゃないぞ。刺すからな」

ひとみ「………」

「……大人しく横になれ。命だけは助けてやる」

ひとみ「………」



明確な殺気に、大人しく動きを止めてから、ゆっくり膝を下すと、












気がついたら、目の前に血が飛び散って、さっきまで鬼殺隊の仲間であったその男はもがき苦しんでから息を引きとった

もう1人の隊士は腰を抜かして、後退りしながら「ぁ…ぁ…来るな…!!」と怯えていた

その騒ぎに、すぐに宿主が部屋にやってきて、血塗れの部屋を見るなり悲鳴をあげた

宿に泊まっていた他の鬼殺隊士が駆けつけて、私はすぐさま拘束されて、鬼殺隊本部へと連れて行かれた









ーーー






鬼殺隊のボスであるお館様とは、その日初めて対面した

対立違反を犯した私は、すぐにでも処罰されるはずだったが、その前に話をしたいとのことだった

腕を縄で縛られて、隠しに連れられてお館様の前に跪く





産屋敷「…よく来てくれたね、ひとみ」

ひとみ「………」

産屋敷「今回のことは居合わせた隊士から報告を受けている。対立違反を犯した者には、それ相応の責任を取ってもらう必要がある。特に、今回の件は鬼殺隊士の殺害にもあたるから、丁重に扱いたいと思ってるんだ」

ひとみ「………」

産屋敷「…駆けつけた隊士と居合わせた隊士とのあいだで、どうも話が食い違う点があってね…、処罰を決める前に、君自身から何があったのかを聞きたくて呼んだんだ。話してくれるかい…??」


お館様がそういうと、隠しの人がすぐに羊皮紙を持ってきて、私に書くように伝えた

私は単純に、「わからない。気づいたらああなりました」と書いた

何があったのか、誰にも教えたくはなかった










産屋敷「杏寿郎にはちょうど遠くの任務に出てもらっていてね。帰ったらすぐにここに来てもらうつもりでいる」

ひとみ「………」

産屋敷「心配しなくとも、任務から帰るまではこの件は伝えないよ。任務に支障をきたすかもしれないからね…」

ひとみ「………」

産屋敷「…杏寿郎と話をしたら、処罰を決める。それまでは安静にしていなさい。君も疲れているだろう」







お館様のとの話は終わり、私はまた隠しに連れられて、屋敷の外へと案内された

屋敷からでると、隠しがコソコソと話をしているところを通りすがる

その話が耳に入り、私の心臓はどくんと震えた



「炎柱様…戻ったら処罰の対象になるかもしれないんだって…」

「えっ…あんな優秀なお方なのに」

「弟子が対立違反犯したからね…しかも斬られた隊士は即死だったって…」

「怖いね…、、炎柱様大丈夫かな…」

「噂だけど…切腹が妥当だって、言われてるみたい」

「うそっ…そんな……
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