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□勝利の災難:後編
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…ヤってしまった…


最後まではしてないが。まさか自分が男と触り合いをするなんて…。


今、コンラッドの部屋にいるのは、大変危険だ。とりあえず有利の部屋に…部屋に?




「し、しまったぁあぁ!俺、この城に詳しくないんだった!」


有利の部屋はどこだ。


有利の部屋を探しに走ろうとした。そのとき、後ろに激痛が。


「いっつ…」


そうだ、指…入れられたんだ。


先ほどの行為を思い出したのか勝利の顔は赤くなる。



「くそっ…///何赤くなってんだ、俺」


別にコンラッドが好きなんじゃない。いきなりあんな事されて混乱しているからにちがいない。



…何か、頭が痛くなってきた。


もうあまり考えないようにしよう。



「あの〜…」


「え…?」


「あ、やっぱり陛下のお兄様だわ」


「どうか…されたのですか?」


陛下って…有利のことだよな?このメイドさん達は
有利の事、知っているのか?


「いや…その…、痛くて…」

「?どちらがでしょう?」


「……。」


言えない。言えるわけがない。コンラッドに、指を入れられた、お尻が痛い…なんて…。


「…何でも…ない」


「では、コンラート様をお呼び致しましょうか?迷子になられているようですし。」


コンラッド?!

今はその名前を聞くだけで全身の体温が上昇する。


「…っいい!///ゆ、有利の所につれててってくれ!!」


「「「…はぁ…」」」



赤、青、緑の
メイドさんは3人とも
きょとんとしていた。



───────


────────…




案内された有利の部屋に
軽くノックをし中に入る。


「有利…?」


「…勝利?あれ?コンラッドの部屋に泊まるんじゃなかったのかよ?」


「そうだったんだが…その、やっぱり…アイツとは気が合わないっていうか…」


ふーん?と有利は言いながらベッドの方へ歩いていく。


「お兄さん?どうしたんですか?」


「うわっ?!おま…いつから居たんだ弟のお友達!」


「いつからってずっとここにいましたよ?お兄さんのイジワルぅ」

「村田キモイよ?」


すかさず有利が突っ込んだ。さすが俺の弟。


「…あれ?勝利…首んとこ…」


首…?嫌な予感がする。


勝利は急いで鏡を覗いてみた。すると自分の首に跡がついていた。もちろん…かゆくない


つまりキスマークだ…。


「な…クソっ!アイツっ…」

「?アイツって?」


言えない…。こんなに真っ白なゆーちゃんに…。


「蚊だよ!蚊っ!」


「ふーん?蚊かぁ…」


有利は鈍いからこれで何とか出来る。


…問題は、村田の方だ。


弟のお友達は勘がいいもしかしたらバレるかもしれない。


「お兄さんって血が美味しんですかね」





…あれ?うまくやり通せた?




「じゃあ渋谷!僕の部屋でお兄さんを治療するからお兄さん借りていい?」


「え?わざわざそんな…ギーゼラさん呼べば…」


「この世界に蚊は存在しないから!それに、僕しか薬持ってないんだよ」


「ふーん?」


勝利はかんじた。絶対、村田にはバレている。


…コンラッドと最後までしてないとはいえ、襲われたことが。


有利は気づいていないようだが、村田は眞魔国には蚊という虫が存在しない、と言っていた。


つまり勝利の首に蚊に刺された跡があるということは絶対有り得ないのだ。




「…ほら、お兄さん。首をこっちに向けて」


「あ、あぁ…」


村田は勝利の首のキスマーク辺りを指でなぞる。


「ぉ…、おい?///」


「随分…大きな蚊に刺されたんですね…」


村田はキスマークの跡を塞ぐように舐めてくる


「っあ?!…ちょ…何すんだよっ」


「…何って消毒ですよお友達のお兄さん。」


これが消毒かよ。内心、勝利はそう突っ込んでいたが、村田に首を舐められいやらしい声が出てしまう。


「ゃ…め…くすぐったい」


「止めませんよ。ずっと我慢してたんだから…」


「…首を舐めるのがか?」


「…身体の関係を…持つことです」



からだ?…の関係?


この国はホモばっかりなのかと勝利は漠然としていた。

今、彼は5コ年下のしかも男に押し倒されていた。


(…また、
このパターンか…)
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