ダイヤモンド

□第1話 少年
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かきぃーん


グラウンドからする音。

教室から見えるグラウンドでは部活動中。

サッカー部、陸上部、テニス部。
そのどれもがさきほどの音を出した部活では無い。

「・・・野球部」

泥で汚れた白い練習用のユニフォームを身にまとい、真剣にやっている部活。

「・・・いいな。俺もやりてぇな、」

呟いた言葉に気付き、
はっ馬鹿馬鹿しい、なんて心の中で呟く。

あの頃は楽しかった。
一つのボールの為に投げ、打ち、走り、捕る。真剣にやっていた。

(どうせ俺は出来なくなる、)
現実を知らされた時、受け止められなかった。

「なんで・・・なんで私は・・・野球出来ないの・・・」

気付いたときには泣いていた。
心に閉まっていた言葉。
それは生まれたときから決まっていたこと。

「やりたいなぁ・・・野球・・・」

「じゃあやろうぜ、」

突然聞こえた声。
教室の扉の前で声を発した人物。


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