せらむん!
□はるみち
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「はるか、今日は本気を出してほしいの。」
「え?」
だって私、いつも貴女に翻弄されて本気の貴女の表情を見たことないもの。
「いいのかい?そんな事言って。」
「ええ。私だって色々勉強したわ。」
「OK。じゃあ、いくよ…?」
はるかは余裕たっぷりの笑みを浮かべて、いつもの手順で事を進めていく…――
―…はるかの長い指が踊る様に蠢き、私は相変わらず翻弄される。
「あぁっ…!もう、二本も…っ!」
信じられない。いつもはこんなに早くない。
「今日は本気でやるって…言ったからね。」
いつもは私の反応を見ての事だったのね。
はるかの気遣い、優しさを嬉しく思いつつも何処か悔しい。
私ばかりがはるかに遊ばれているなんて。
「私…今日は負けないわ!」
はるかの動きに合わせようとしたその時。
「無駄だよ、みちる!ほら!ほら!」
「あっ…、ああーっ!」
ガタガタと私ごと揺さぶるはるかの攻めに、私は声をあげるしかなかった。
――…YOU WIN !
画面に映る勝利映像に満足すると、対面のみちるに歩み寄る。
「やっぱり僕が本気だしたガイルには勝てないだろ?」
「そんな事ないわ!…今度は負けなくてよ、はるか。」
ああ…。君は僕に勝てるまで勝負し続ける気なんだね?
全くお姫様は変なものにハマってしまったようだ。
†††
ゲーセンでのヒトコマ。
実際みちるがアーケードゲームにハマったら嫌だなぁ(笑)