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まわれ
まわれ
くるくるまわれ

『かざぐるま』

この世界はある種族と共存している。
透明な羽。美しい髪。愛くるしい瞳。
それらを総して、僕らは“妖精”と呼ぶ。


「シューゴ、何考えてる?」
淡いブルーのワンピースを着た少女が首を傾げながら尋ねてくる。
僕の名前は修吾。彼女はリオ。


彼女は妖精だ。
どうも間の抜けた性格がほっとけなく・・・ついつい構ってやったら、どうやら自分はコイツのコトを好きなんだと気づいた。
それを知った彼女は、本当に嬉しそうな顔をしていたのを今でも忘れられない。


「リオのこと、かな?」
ホストまがいの言葉を、ややカッコつけて言ってやる。
リオはこういう言葉にどうも弱い。
すると、透明な緑の羽を数回羽ばたかせ、嬉しそうに
「ありが、とにぇ」
と、微妙に変わった言葉でほんの少し照れながら言った。

何度見ても美しいと思う。
太陽の光でキラキラと羽が輝き、長い金の髪は風に揺れている。

「でさ、どうしたんだ?それ」
彼女が手に持つそれを指差し、僕は言った。
カラカラと風に吹かれて回るそれ。
「買った、の。可愛いにぇしょ?」
「風車か・・・懐かしいな」

子供のころ。
手にして喜んだもの。風が無い時は息を吹きかけて、一生懸命になっていた記憶がある。

まわる
まわる
くるくるまわる
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