D.Gray-man
□その匂いが気にいらない(ラビユウ)
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「イッテー…ユウ?」
「…………」
急にそっぽを向き不貞腐れたように眉間にシワを寄せた。
ラビが駆け寄って手を伸ばせばその手はいとも素早く払いのけられた。
「どーしたさ?嫌だった?」
「……テメー…日本の何処に行きやがった?」
「何処って……キモノを着た女の人がたくさんいて日本料理を食べたさ」
キモノという単語にため息をついた神田はさらに眉間にシワを寄せた。
「ユウ?」
神田が感じ取ったのは日本の女性特有の白粉の匂い。
疑いたくなかったがその匂いが確信となり神田を不機嫌にさせた。
「日本の女は抱き心地良かったか?」
「は?」
「匂いが移るつーことはそーゆー事なんだろ?」
「待つさユウ、匂いって何?」
神田は手に持っていたラビのコートを顔に投げつけた。
「自分で嗅いでみろよ…」
ラビは鼻を押しつけ匂いを嗅ぐ。
白粉かどうかラビにはわからなかったが任務先で感じた匂いがした。
「ユウ…誤解さ。確かにキモノ着た人達と話したりしたけどそれだけさ」
「じゃあ何で匂いがすんだよ」
神田の双眼がラビを捉らえた。
ラビはやっと見たといった感じで一呼吸置いた。
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