銀魂2
□切れかけた鼻緒(近新)
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“貴方は姉上が好きなんでしょ?だから毎日仕事を抜け出して会いに来るんでしょ?”
「あ、近藤さんだ…」
町で見かけた近藤に新八は思わず足を止めた。そして近藤もまた新八の姿に気付き足を止めた。
「新八くん!!」
笑顔でこちらへやってくる近藤に、苦笑いをした。
「買い物かい?」
「はい、今帰るところです。近藤さんは…?」
「俺は珍しく非番でね…そうだ!!お茶でもどうだい?」
この後の予定もない新八は断る事もなく近藤と共に近くの甘味処に入った。
「どれでも好きなもの頼んでいいぞ」
新八はお品書きで顔を隠しため息をついた。
「(また、姉上の事について聞かれるのかな…)」
「新八くんッ!?」
名前を呼ばれた途端、肩をびくつかせた。
「君の……す、好きな色は何かな?」
「へッ?」
突拍子もない質問に新八はお品書きを床におとしてしまった。
「僕の…ですか?」
「あぁ!!」
「姉上じゃなく?」
「そうだ」
近藤の顔がみるみる赤くなっていく。そして一方的な質問攻めが新八を戸惑わせた。
「好きな花は?好きな動物…あぁ嫌いなもの、苦手なものでもいいよ、教えてくれッ新八くんの事を」
「え…あ、はい」