D.Gray-man
□その匂いが気にいらない(ラビユウ)
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「ユーウッ」
食堂にけたたましく響くオレンジ頭の持ち主の声。
神田は湯飲みをプレートの上に乗せその声から逃げるように立ち上がった。
しかし気付けば声はすぐ後ろから聞こえた。
「ただいまッユウ」
いきなり正面に回り込まれ神田は立ち止まるしかなかった。
「どけ」
「おかえりは?云ってくんないの?」
「………死なずに帰ってこれたな」
その言葉が神田なりのあいさつでそれはラビにもわかっている事なのだ。
「部屋行くの?」
「あぁ…テメーは今から飯だろ?」
するとラビは首を横に振り笑顔を神田に向けた。
どうやら任務先で済ませてきたようだ。
二人で神田の部屋に向かい、その間も任務先で起こった出来事を話していた。
「日本だったのか」
「そうさ!!ユウの故郷」
部屋に入るといきなりラビが抱き付いた。
それを欝陶しそうに押しやる神田。
我慢というものを知らぬかのように襲い掛かった。
しかし公共の場で抱き付かなかっただけマシなほうだ。
神田も口では否定しながらも流されていく。
何度も口付けを繰り返しお互いの匂いが包み込み合うと神田がピクリと肩を揺らした。
そして力の限りラビを突き放した。
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