To you

□1st Letter
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桜が舞い散る季節


私は大学生になった


周りの女の子は
スカートをはいてるが
私はスーツ


そうゆう所からして
私は
気難しくみられるタイプ



入学式が終わって
私はベンチに座って
一人、
コーヒーを飲んでいた




ポケットに入っていた携帯を取り出すと



昨日
別れを告げた彼からの
メールや着信が沢山あった



全てためらいもなく
削除していく




私の中の彼さえも消えて
いきそうで


すっきりする気持ちになる




きっとどこかで線を
引いてるのだと思う





絶対に中に入らせない
境界線を






そして最後のメール





“愛してる”





題名に書いてある

恥ずかしげもない愛の言葉


そういえば


私が好きだと言った事など一度もなかった







そんな女の何を

こいつは愛してるのだろう







“愛してる”









削除









その時だった




「りほ!ここにいた!!」




肩に置かれた手と


男にしては高いその声に


反応し
反射的に後ろを向いた







「あんた、誰?」
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