Novel

□ 罪と言う名の狩人Part4
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天音 Part6:


日和にああ言われたものの、彼女が土地神だった事を教えてくれなかったりで色々釈然としない天音は、赤城を訪れていた。普段からよく買い物等に来ているので新鮮味はないのだが。


「…ここには、何があるんだ?」


一人、ぼやいてみる。

赤城は、鈴ノ瀬に比べ街っぽさがある。ファストフードや若者の遊び場も多いし、やはり鈴ノ瀬より緑が少ない。

あとは鈴ノ瀬と同じだが、何故か、通行人がちらちらと自分を見てくる事ぐらいだ。

―――服装は地味なのに、なんだろう。ま、でも、いつもの事だから、解明はいつかに置いといて放っておこう。

そう判断し、周りを見る。しかしやはり何か特別な所がある様には―――


「みぃつけた♪」

「!?」


すぐ傍で、楽しげな声が響いた。

しかしそれは、どこか獰猛さを秘めている。

天音は振り返ったが、誰もいない。それに、いくら天音と言えどそんな近くに来たら気付くだろう。


「来ちゃったかー。ま、『アタシ』はいーんだけどね」


再び、すぐ後ろで声がする。

もう一度振り返ったが、いない。


「…何の用です?」


警戒しつつ、天音はどこにいるとも知れぬ者に問うた。

気がつけば、通行人は誰も天音を気に留めていない。まるで、さっきのが嘘の様に。しかも皆、天音を中心に円を描く様に、当然の如く迂回していた。


「ぅわ、警戒しまくりじゃん。傷つくわー」


言葉のわりに、軽快に喋る。


「あ・気付いてるかもだけど、ここら辺結界で囲まれてるから。そっちの方が二人でゆっくりできるしさ」


―――結界。それは展開する事で、架空の空間を作り出す。それによって起こる、一般人が結界内を認識、出入りできなくなる現象を『過剰狂鳴<ハウリング>』という―――
暗に逃げ場のない事を伝えながら、不意に姿を現した者は――――――――――――
―――――――――


「あは、その顔超面白い」


驚く天音に、嗤った。




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