Novel

□罪と言う名の狩人Part2
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神楽 Part1:


「こ、ここは…?」


日和と手を繋がれてる天音は、呟いた。

今いるのは、町内にある神社の境内だ。


「ここが、アレの居場所」


日和が答えると、


「いやー、こんにちは。何の用だい?」


唐突に男の声が響いた。

その声に、天音は肩を震わせる。


「アンタの面見に来たのよ。死んでないかね…神楽」


刺を少し持たせ、日和は振り返った。

先程通った鳥居の元には30代ほどの、長めの髪に草履と紺色の仁平という出で立ちの男がいた。


「はは、残念だけど生きてるね」


日和の態度や言葉を大して気にもせず、男は軽く受け流す。

だからこそ、後の言葉と全く繋がらなかった。


「さて、日和君。君は帰れ」

「は?何…」

「帰れ。じゃないと…この土地に入れなくなるよ?」


急に命令され、一度は日和も声をあげたものの、男が言った言葉で押し黙ってしまう。そして天音と男を交互に見やり、足早に去ってしまった。


「…悪いが、人脈は僕の方があるんでね」


日和の姿が完全に見えなくなり、芝居がかった動作で髪をかきあげながら男は天音に近づいた。


「貴方に人脈なんてあるんですか?」


少女が男を見た。その顔には、嘲笑のみが存在していた。


「ま、手駒は多いって事かな」

「随分と過信してますね」


大袈裟に肩をくすめた男に言い放つ。その嘲笑は、どこか危うさを思わせた。

…一見刺があるが、触れると刺ごと溶けてしまいそうな。彼女はそんな雪花の様な儚さを感じさせる。




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