うなじに唇を落としただけで大きな反応を示す身体をヨザックは寝台に上手く導いた。いや「連れ込んだ」という言葉のほうが正しいのかもしれない。

「う…むうっ」

 押し倒し、薄い胸を撫で回しながら服を剥ぐ。口ではなんだかんだと文句を言っていたくせにあっさりと奪えた唇に僅かだけ感じた物足りなさは、分け入った奥にある熱い舌にぶつけてみた。

「っんん」

 抗議めいた声が聞こえたが、鼻にかかったそれはヨザックの耳には煽るためにわざと発したものとしか思えず、余計に彼の手は妖しく蠢き始める。堪えようもなくたぎるものが奥から溢れ出しているようで、つい慣れきってしまった一人での夜のように制御しようとして、しかし今夜は抑える必要はないのだと気付き安堵する。それからこみ上げてきた喜びに身を委ねた。
 まあもっとも制御しようとしたところで、久方ぶりに再会できた愛しいひとを前にしてしまった時点で、抑える術などはなから彼には持ち合わせないのだけれど。

「ちょっ…んぁっ!」

 無視されたと感じた少年はまた不満そうに声をあげる。けれど粘膜同士を擦り合わせるやり取りはただでさえ高い感度を強めるようで、次第に否定的な響きは消えていった。
 いつしか少年も自分から口内で蠢く軟体を追っている。漏らす吐息は荒くなり、中心に血液が集まり始めるのを止められない。


 早く素肌で触れ合いたかったヨザックが、邪魔で仕方ない服達を気が急くままに上も下も一緒くたに脱がせたら、あんなに嫌がっていたにもかかわらず、すでに完全に屹立したものが飛び出してきた。 

「やっぱり貴方もしたかったんでしょう」
「――うるさいっ!」

 思わず笑っってしまったら、顔全体に朱を走らせ顔を逸らし、上擦った声で睨んできた。だが露顕したことで諦めたのか、それとも開き直ったのか。
 不機嫌そうなのは変わらず、側近の前でさえ完璧に隠し通すはずの感情を、真ん中にぎゅうっとよった眉を、今は晒したままで村田は告げる。

「早く舐めろよ」
「おんやぁ、さっきとえらく違いません?」

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