捧げ物

□優しい恋の病
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まただ…



会う度に心臓が壊れそうなほど反応する。




頑張っている。あの万事屋で、それでいてツッコミで…




人より少しだけ可愛い…




なんて、俺はどうしちまったんでィ。




相手はあのメガネだぜィ?




しかも俺と同じ男…





俺はそんな趣味はねェ!!




ただ…気になるんでィ。



俺と同じ男なのに、気は利くし、優しいし、可愛いし…



って、俺ぇぇえ!!




口を開いたらとんでもねェこと口走っちまいそうでさァ。




でも、気になる。



あいつが今、何してんのかとか色々…




あぁ…俺ァとんでもねェ病気にかかっちまったみたいでィ!




『お…さん…沖田さんっ!!』



聞き慣れた声が聞こえた気がして、振り向けばそこには新八君がいた。




「あ、あんたァ万事屋の…メガネ…?」

『なんで疑問形なんですか!!それに僕はメガネじゃなくて新八ですっ!』

「そうでしたかィ?」




知ってまさァ…



ただ、気恥ずかしくて呼べないだけなんでィ。





『それより沖田さんは見廻りですか?』

「あ?…まぁ、そんな所でさァ」

『今の言い方は絶対サボりでしょ』

「何言ってるんですかィ?俺を誰だと思ってるんでィ」

『サボり常習犯の沖田さん』

「うっ…当たってまさァ」

『やっぱり』




そう言って新八君はにこにこと笑った。




なんで俺のこと知ってるんですかィ…?




「俺ァ…そんなに新八君と会ってやしたかィ?」

『えっ…その…はいっ…』




?…新八君が…赤くなってらァ




「どうかしやした?顔が真っ赤でィ」

『あの…それは…そのっ…』




やべェ…




新八君に触りてェ…
でも手を伸ばしたら、ぎゅって抱き締めたくなっちまう。




悶々と我慢してると優しい匂いが鼻をくすぐった。



気がついたら新八君が抱きついていた。




「し、新八君…?」

『沖田さんが悪いんですよ…』




俺…何かしやしたかねィ。




「俺のせいですかィ?」

『そうです。沖田さんのせい…僕…ずっと我慢してたのにっ』




あ…れ…?





新八君の心臓、俺と同じくらいばくばくいってまさァ。




「俺だって我慢してやした」

『えっ?』

「新八君に触るのずっとずっと我慢してやした」






俺ァ今更、気付きやしたよ。





新八君も俺と一緒だったんですよねィ。





「新八君…俺ァあんたが好きでさァ」




答えなんてもうわかってらァ




だって、ほら




新八君がこんなにも笑顔だ。




『僕も…沖田さんが好きです』




その答えが嬉しくて俺は新八君をぎゅっと抱き締めた。
















優しい恋の病
それは君が俺にかけた恋の魔法






END
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