俺が恋したのは好きと言えない人

□狂いだした歯車
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「……今日…?」
            ……何の日……だっただろう
            直樹は深く考えたが、まったく分からなかった
すると香奈は、深いため息をついた
            「はぁ…やっぱり忘れてたんだ…」
            「…ご…御免、何の日だっけ」
            「今日は、直樹と私が付き合った日だよ!!記念日なんだからね!?」
            「……あ…」
            そうだった……                             今日は、俺と香奈が付き合い始めた日だ…
                        だから明日は駄目なんだ…                        「そんなに急ぎの用なの?私より?」
香奈が俺の腕を強く掴みながら言った
            「そ…それは…」
            俺は……
                        不安なんだ
                        逶狡の空いた席を見つめると胸が締め付けられるようだ
                        唯、友達が母さんを送っただけなのに
            それから友達が授業をサボったってだけなのに…
                        「お願い……私と一緒に居てよ……今日くらい…」
                        「……………ゎかったよ…」
            「!」
                        「分かったから、そんな顔するなよ…香奈」
                        「……ぅん…」
                        しかたない……
                        香奈よりも母親を取るなんて変だもんな
                        俺はマザコンかよ…
                        そして直樹と香奈は二人で歩きだした
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