ハナニンに黒い華束を
□―The Begin―
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カタカタ
「…これでオマエは、いつでも天界に行ける」
静かに徠の声が響いた
「……」
華の胸に流れ込む黒い翼玉
ズキッ
胸が苦しい……
痛くて
悲しくて
涙が溢れだす
(これは……ダレの…感情?……)
スキ
愛してる
だけど
愛せない
愛されない
苦しい
悲しい
そして…………
華の体に黒い光が包み込む
徠は、冷たい瞳で見つめ、銀色の片目を手で覆う
華の背中に黒い光が密集していく
(…………憎悪…)
バサァッッ―――
(………これで…)
スゥ………
漆黒の翼
華の背中には大きな翼が生えていた