俺が恋したのは好きと言えない人

□狂いだした歯車
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何分経っても、逶狡は俺達の元へ戻らなかった。              先生は逶狡がいないのに気付かず、泳ぎの練習が始まり、そして…                              一日の授業が終わってしまった
                        なぜか俺は、一日中逶狡の空いた席ばかり見ていた。                        さぼりだろうか…                            逶狡が授業をさぼるのは、珍しい事ではないのに、俺はずっと気になっていた                         そんな俺を香奈は不機嫌な顔で見つめた
            「……」
                        早く……                                 早く終われ…                 そんな事ばかり考えていたのだ                                  授業が全て終わり、俺は素早く机を片付け、鞄を持って教室を出ようとした
            がしっ

「!?」
            すると隣に居た香奈が立ちはだかった
            「直、今日さ一緒にカラオケでも行こうよ!最近、遊んでないじゃん!」
            「香奈。ごめん、俺、今日…」
「だーめ!予定あっても私とカラオケ行こ!」
            ぐいっと俺の腕を掴んで強引にひっぱる
            「香奈!今日は無理だ…今度で…あ!明日でいいだろ!?」
            俺は早く家に帰りたかった            なぜだかわからないが              唯……この胸のモヤを拭い去りたかったから
            バッ
「放せって!」
俺は香奈の手を振り払った            !!                      すると香奈の表情が歪んだ            「ご、ごめ…」
            「……今日…何の日か覚えてる?」
真剣な眼差しが突き刺さった
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