月夜に乾杯シリーズ

□月杯・エクソシスト
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「それで? 依頼は一体なに? ヴァンパィア? それともウルフマンかな? 何れにしてもオレのとこに来たのなら安心して任せてよ。依頼にしくじったのは未だ一回も無いからね」

 日本人の割りにスマートな男が胡散臭そうに、オレを半ば睨む様に見詰め、値踏みしている。 オレは馬鹿にした様に口の端を持ち上げ嘲笑する。

 何時もの事さ。どいつもオレをエクソシストだと知ると同じ様な顔しやがる。
 そう。まるで祓い師が自分達の始末したい輩と同族なんじゃなかろうかと。

「いや、悪かった。疑う訳では無いんだが、余りに君の外見が人間離れしてるもので。だが、引き受けてくれるのなら、君に頼みたい」

 オレはびっくりしたね。今までの奴らは、これ程ハッキリとオレの見掛けについて言わなかったし尚且つ、依頼を頼むとは思ってもみなかったから。
 その事だけでも引き受ける理由にはなったが、内容を聞いて更に、断る処か進んで行こうと決めたんだな。

 何処へだって? もちろん、君らが住む国へさ、ニッポンへ――
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