‐仔犬物語‐
□第一章
1ページ/4ページ
また・・・アイツが来る・・・。
次は、ナニをされるの・・・?
豆柴と呼ばれる犬種の俺は、毎日暴力を受ける。
「あの野郎、僕をなんだと思ってんだよ!!」
『キャンッ・・・!』
名前も無く毎日アイツの八つ当たりに耐える。
息をするにも辛く身体が痛みに襲われる。
『ハ・・・ハァ・・ハ・・・ハ・・』
「なんでも僕のせいにしやがって!!」
『グ・・ワンッ・・・!!』
「なんだ?お前も僕を虚仮にするのか?」
腹を蹴り上げられ身体が浮いたと思うと背中に激痛が走る。
『キャン・・・!』
「・・・・・・」
殴り済めば黙って薄暗い部屋から出て行くアイツ。
この地下の外の世界なんて知らない。
出た事でどうなる・・・?
生きる気なんて・・・。
殴られ傷付いた身体に自分の唾液で消毒する。
喉の渇き。空腹にも耐えられなくなってきている。