‐仔犬物語‐

□第一章
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また・・・アイツが来る・・・。

次は、ナニをされるの・・・?

豆柴と呼ばれる犬種の俺は、毎日暴力を受ける。


「あの野郎、僕をなんだと思ってんだよ!!」

『キャンッ・・・!』


名前も無く毎日アイツの八つ当たりに耐える。
息をするにも辛く身体が痛みに襲われる。


『ハ・・・ハァ・・ハ・・・ハ・・』

「なんでも僕のせいにしやがって!!」

『グ・・ワンッ・・・!!』

「なんだ?お前も僕を虚仮にするのか?」


腹を蹴り上げられ身体が浮いたと思うと背中に激痛が走る。


『キャン・・・!』

「・・・・・・」

殴り済めば黙って薄暗い部屋から出て行くアイツ。

この地下の外の世界なんて知らない。
出た事でどうなる・・・?
生きる気なんて・・・。

殴られ傷付いた身体に自分の唾液で消毒する。

喉の渇き。空腹にも耐えられなくなってきている。
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