第一巻

□第六話 遠い彼方からの奇跡
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……………?



ここは?



俺は何もない無のような世界にたっている



…頭がよくまわらない



えーっと、たしか…こなたのところに飯を食いに行こうとして・・・


!!!もしかして、俺車にひかれたんだ



…となるとここはどこ?


天国なわけないし…



地獄でも何かしらはあるはずだろう…



「こなたぁー!」



…………………


なんなんだろう…俺は死んだのか…?




しばらく動き回ってみたが、どこまでも、闇が広がっていた
どれぐらいたったであろう。何時間か、何日か…



………どうせならもっといい所へ行きたかった。よりによって死後がこんなところとは(T_T)



すると、とつぜん視界が開けた。



…さっきとはうってかわって青空の下、たくさんの花が咲いている



でも、ひとりぽっち。



…まつ、田中がなつかしく感じられた


でも、やっぱりずっと浮かんでくるのはこなたの笑顔だった



途中、こなたがそこら辺からひょこっと出てきたりしないかな?とか思っていたが…今はそれもあきらめている



錯覚だろうか……遠くに人が見える



近づいてみるとはっきりしてくる。錯覚ではなさそうだ



……小さい体、蒼く長い髪……


こなた!?一瞬そう見えたがだが違うとわかった。

どことなく上品だ…


顔をみればこなたかどうかは、絶対にわかる
…あれはこなたじゃない


では、だれ?


こなたに似てて、死んだ人がくるような所にいる人…


俺の脳裏にこなたの言葉が賭巡った!

たしか、まだ転校して間もない頃、こなたとスーパーに行った時…

「うち、お母さんいないからさ…」




あれはこなたの母さん?!


目の前まできた



「あなたがけいくんね」

「はい。あなたはこなたのお母さん?」


「うん。あの子には何もしてあげられなかったけど…」


「それで、僕はいったい?」


「あなたはね…車にひかれて、生と死の間にいるのよ。…でも、あなたがこっちにくるのはまだ早すぎる。こなたは、本気であなたを愛してるわ。あなたもそうでしょ?」


「あたりまえじゃないですか。命よりもこなたを守ります」


「そんな大切な人をなくしたらこなたはどんなに悲しむか…もう既にわたしがいないから、おおきな傷があるのに………」


「あなたが…あなたがずっとあの子のそばにいて欲しいの!そうしないと、本当に、本当に………」


「こなた…おかあさん、みていてください。こなたにもう二度と悲しい思いはさせません」

「約束よ……」

きれいな人だ…

「じゃあもう行きなさい。こなたがまってるわ」



………………
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