書架

□受難
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「セシルさん、失せ物を見つけてほしいんだけど…」

「どんな物をお探しですか?」

…どうやら偽名として部下の名前を名乗っているようだ。

しかも根本的に、占い師とは違うような気がする。

しかし、失せ物探し、天気の具合、迷子の捜索等々、ぴたりと的中するとの噂が一日で広まり、中々に繁盛しているようである。

実は魔法を駆使して、探しものや天気を詠んでいるだけなのだが。

それはともかく、そろそろ休憩をしようとしていたところ、そこそこ身なりの良い男が入ってきた。

その男の姿を見たリゼの動きが、一瞬止まった。

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