書架
□旅程の一幕
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漸く城を発った三人は、現在街道を馬の背に揺られながらのんびりと移動中。
ふと赤毛は疑問に思った。
「…なあ、リゼ」
「何だ?」
「こうしてのんびりしてていいのか?」
「急いでも変わらん。それに、ピロポスに着いて終わりじゃないんだ。疲れは少ないほうがいい」
「そりゃそうだろうけど」
あれ?俺、深刻な事態って報告したよな?
ぽかぽか陽気の中、天を見上げつつ赤毛は思った。
「ライル、深く考えるなって。リゼがゆっくり行くと決めたんならそれが最善なんだろ」
隣の金髪に言われ、それもそうだなと頷く。
「占いでも急がば回れとでたしな」
「「いやいやいや、ちょっと待て!」」
さらっと青銀の青年の口から落ちた言葉に、同時に金と赤が突っ込んだ。思わず空中を手の甲で叩いていたりする。
「占いで決めたのかよ?!」
「てか、占いしたのかよ?!」
両側(若干後方だが)からサラウンドに責め立てられ、リゼラードの眉間に皺が寄った。
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