書架
□受難
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山間の町ピロポスに到着して二日目。
もう少し情報収集してから山の何処まで行くか決めようと、リゼラード、レイナード、ライルの三人は、その日も町で聞き込みをしていた。
竜が住んでいると言われている坑道は、元々良質の宝石の取れる鉱山の一つにあり、騒ぎが起きる前までは普通に人の出入りもあったという。
その為、そこに至るまでの道筋や内部の構造、周辺の危険度などを調べておこうと昨日決まったのだ。
最も、本当に竜が出るのなら他の獣の心配等はいらないだろうが、何が起こるかその時にならないと解らないので念の為に、である。
リゼは今日も朝から広場で紫の天幕─といっていいものか、素材は明らかに布だが、妙に形が凝っている─の中で、全身を布で隠した怪しい姿で占い師に紛していた。
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